〔海外〕2024年1月の災害を振り返る

2024年1月に発生した海外での大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。

※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。

●1月
【事故】北朝鮮東部で昨年12月下旬に列車事故、死傷者多数か 1月中旬に報じられる
[被害]死者数百人か
2024年1月17日までに、アメリカ政府系のラジオ自由アジア(RFA)は、2023年12月下旬に北朝鮮東部で列車事故により多数の死傷者が発生したと報じた。なお、これまでに北朝鮮からは、この事故に関する公式の発表や報道はなく、韓国統一省も確認できる内容はないとしている。
RFAの報じたところによると、2023年12月25日午前に首都平壌を出発し、東部の咸鏡南道にある鉱山都市の検徳(コムドク)に向かっていた列車が翌日の12月26日夕方、咸鏡南道の端川(タンチョン)付近の峠を越えようとした際に、線路の老朽化と電力不足により勾配を上りきれずに後退しながら脱線、転覆した。
列車は、機関車の後ろに政府幹部専用の上級車両が2両、その後ろに一般旅客車両が7両連結されていたとみられ、上級車両は脱線しなかったが、一般旅客車両がすべて脱線し、谷へと転落した。事故当時、一般旅客車両は鉱山へ派遣される労働者などで満員だった模様で、脱線した車両から救助された乗客のほとんどが死亡したとされていることから、死者は数百人にのぼるものとみられている。

【政変・政情不安】パプアニューギニアで給与を巡る警察官ストライキを発端とした暴動発生
[被害]死者16人 負傷者数十人
2024年1月10日、パプアニューギニアの首都ポートモレスビーで、公務員の給与が予告なく削減されたとして、警察官らがストライキを実施し、政府に対する抗議を行った。このストライキと抗議行動に乗じて市民による暴動も発生し、商店への略奪と放火が行われるに至った。一時は首相府近くにまで退陣を求める群衆が迫ったほか、地方都市にも暴動が飛び火した。
事態に対してマラペ首相は暴動への非難声明と非常事態宣言を発表すると共に、国軍を投入した結果、11日夕方までに暴動は沈静化した。
発端となった公務員給与の削減は支給システムの手違いで、政府は修正を行うと呼び掛けていたが、結果的には警察官らによるストライキや抗議活動が行われた。
パプアニューギニアは、国民のおよそ半分近くが貧困ラインを下回る状況で、これまでも警察官の給与を巡るトラブルが発生している。2018年11月のAPEC開催時には、未払いの給与支払いを巡る抗議行動で国会議事堂が襲撃されるなどの事態に至っている。

【自然災害】中国南西部で山崩れが発生、住民が生き埋めに
[被害]死者44人
2024年1月22日05:50頃(日本時間06:50頃)、中国南西部の雲南省東部で山崩れが発生した。山崩れに巻き込まれた集落の18世帯44人が生き埋めとなり、1000人以上が捜索にあたったが、25日夜までに44人全員の死亡が確認された。
現場は貴州省との境に近い雲南省昭通市鎮雄県塘房鎮涼水村で、専門家によると、幅100m、高さ60m、およそ30万立方mの土砂が崩れたとみられる。原因については、詳細は不明だが、以前から山肌に亀裂が生じていたという住民の声が複数の現地メディアで報じられている。

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