映画『マンティコア 怪物』心の闇のタブーに踏み込むアンチモラル・ロマンス、監督はカルロス・ベルムト

映画『マンティコア 怪物』が、2024年4月19日(金)よりシネマート新宿、渋谷シネクイントほか全国で順次公開される。

人間の心の闇のタブーに踏み込むアンチモラル・ロマンス

映画『マンティコア 怪物』の監督を務めたのは、スペインの鬼才、カルロス・ベルムト。架空の日本アニメ「魔法少女ユキコ」に憧れる白血病の少女をめぐる悲劇を描いた劇場デビュー作『マジカル・ガール』で、サン・セバスチャン国際映画祭グランプリと監督賞のダブル受賞を果たした。独創的なストーリーと先読みできない巧みな構成で高評を得ている人物だ。

そんな生粋の日本オタクで「日本文化は僕の血肉」と語るカルロスによる映画『マンティコア 怪物』は、人間の心の闇のタブーに踏み込んだアンチモラル・ロマンスの物語となる。

内気なゲームデザイナーが生み出す“怪物”とは

物語の主人公は、空想のモンスターを生み出す内気で繊細な性格のゲームデザイナー・フリアン。同僚の誕生日パーティーをきっかけに、美術史を学ぶティアナと出会い、聡明でどこかミステリアスなディアナに魅かれていく。

しかし、フリアンは隣人の少年を火事から救った出来事をきっかけに、原因不明のパニック発作に悩んでいた。やがて、彼が抱えるある秘密が、思いもよらぬマンティコア“怪物”を生み出してしまう。

彼の生み出したマンティコア“怪物”とはいったい何なのか、目を背けたくなるようなテーマを炙り出した本作では、創作と倫理、愛と闇を題材に、一筋縄ではいかない男女の禁断の愛を描き出す。

劇中には、フリアンが描く不穏なイラストや燃え盛る家、ディアナにも似た容貌の隣家の少年などが登場。一見するとラブストーリーのはずなのに、物語は徐々に心理スリラーへ。ラストは誰も想像し得ない衝撃の境地に辿り着く。

主演はナチョ・サンチェス

主人公のフリアンを演じるのは、スペイン・アビラ生まれのナチョ・サンチェス。日本オタクのキャラクターとして描かれたフリアンを見事に演じた。『マンティコア 怪物』では、スペイン・アカデミー賞の第37回ゴヤ賞で主演男優賞などにノミネートされた。

【作品詳細】
映画『マンティコア 怪物』
公開日:2024年4月19日(金)
監督・脚本:カルロス・ベルムト
出演:ナチョ・サンチェス、ゾーイ・ステイン、アルバロ・サンス・ロドリゲス、アイツィべル・ガルメンディア
配給:ビターズ・エンド
原題:Mantícora

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