MVP候補、ステップアップ!アジアカップ2023で評価を爆上げした日本のライバル5選手

AFCアジアカップが8日までに準決勝が行われ、カタールとヨルダンが決勝に駒を進めた。日本は準々決勝に敗退と大番狂わせが続出した。

2022年に開催されたワールドカップカタール大会に出場したサウジアラビア、イラン、オーストラリア、韓国、日本と開催国枠で出場したカタール以外の強国が決勝に進めなかった。

それだけアジアの底上げがされており、中堅国の存在感が強まっている。今大会で評価を上げた日本のライバル国の5選手をピックアップした。

大会2連覇を狙うカタールのスピードスター

アクラム・アフィーフ

国籍:カタール

所属:アル・サッド

ポジション:左ウィング

今大会4試合5得点2アシストと圧倒的なスピードと優れた技術で、アジアカップ2連覇を目指すカタールの原動力となっているアフィーフ。強豪イランとの試合でも1ゴール1アシストと決勝進出の立役者となった。

育成年代から天才と称された背番号11は、スペインの名門セビージャ、ビジャレアルの下部組織で育った。プロデビューはオイペンで飾り、2016年にはビジャレアルに再加入し、2016-17シーズンは当時スペイン1部スポルティング・ヒホンでリーグ戦9試合に出場した。大会連覇ならMVPも狙えるアフィーフの活躍から目が離せない。

今大会得点ランキング単独トップの苦労人

アイメン・フセイン

国籍:イラク

所属:アル・クーワー・アル・ジャウィヤー

ポジション:センターフォワード

今大会4試合6得点と爆発的な活躍を見せて得点ランキング単独トップに立つフセイン。グループリーグ日本戦で2得点で日本を打ち破る活躍は記憶に新しい。189センチの高身長を生かした空中戦や鋭い球威のシュートなど点取り屋として求められる能力を高水準で備えている。

父親はアル・カーイダのテロで殺害され、警察官だった兄はIS(イスラム国)に誘拐されて行方不明になったという悲惨な過去を持つ苦労人として有名だ。トーナメント1回戦では得点後に草を食べるパフォーマンスを遅延行為とされて、2枚目のイエローカードによる退場処分を受けて大会を去ってしまった。

今大会の活躍でスペイン1部へステップアップ

アイハム・ウスウ

国籍:シリア/スウェーデン

所属:カディス(スペイン1部)

ポジション:センターバック

スウェーデン西部のメルンダルでシリア人の両親から生を受けたウスウは、スウェーデンのクラブを転々としながら2021年に加入したチェコの名門スラヴィア・プラハで頭角を現した。2022年11月のアルジェリアとの親善試合でDFヴィクトル・リンデロフ(マンチェスターユナイテッド)との交代でスウェーデン代表デビューを飾った。

ただその後は代表招集の機会から遠ざかり、昨年12月にアジアカップ2023に臨むシリア代表へと鞍替えした。粘り強い守備と正確なカバーリング、優れた身体能力を生かしてシリアの守備の核となった。イランとは延長戦の末に敗れるも、同代表初のグループリーグ突破を決めた。この活躍が認められる形で、スペイン1部カディスへステップアップした。

今大会初出場で8強に導いた司令塔

パルヴィジョン・ウマルバエフ

国籍:タジキスタン

所属:CSKA1948ソフィア(ブルガリア1部)

ポジション:セントラルミッドフィルダー

今大会初出場のタジキスタンを8強へ進出できたのも、ウマルバエフの存在なくしては語れない。グループリーグ2位突破がかかったレバノン戦で同点弾を挙げる活躍を見せ、強豪UAEとの一戦では粘り強い守備と冷静沈着なゲームメイクでPK戦の末に強敵を打ち破る立役者となった。

準々決勝ヨルダン戦でも正確なポジショニングと守備連係でヨルダンのエースであるムサ・アル・ターマリを抑え込むもオウンゴールの失点で敗れた。生まれはタジキスタンだが、育成年代はロシアの強豪ルビン・カザンの下部組織で育ち、2012年にはロシアU-18代表に選出された過去を持つ。2016年から現在までブルガリア1部リーグで活躍しており、ブルガリア国内でもテクニシャンとして定評がある。

大会初制覇を狙う大会MVP候補

ムサ・アル・ターマリ

国籍:ヨルダン

所属:モンペリエ(フランス1部)

ポジション:右ウィング

今大会MVP級の活躍を見せているターマリは高速ドリブル、優れた判断と左足の技術で目立った活躍を見せ続けている。大会初戦のマレーシア戦で2得点、圧巻は準決勝韓国戦で見せたインターセプトからのアシストや鋭い左足ミドルシュートで韓国を2-0で破って同代表史上初の決勝進出に導いた。

「“ヨルダンのメッシ”と呼ばれたくない」アジア杯で大ブレイクのアル・ターマリ、『唯一の欧州組になれたワケ』とは

ヨルダンの育成年代時代から天才アタッカーと称される逸材であり、キプロス1部APOELニコシア、ベルギー1部ルーヴェンを経て今季からフランス1部モンペリエに加入した。決勝戦唯一の欧州クラブプレーヤーのターマリがどのような活躍を見せるのか楽しみで仕方ない。

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