南海トラフ地震対策 耐震補強重要 岡山地方気象台が講演会

住宅の耐震補強などについて理解を深めた講演会

 近い将来の発生が予想される南海トラフ巨大地震への対策を考える講演会(岡山地方気象台主催)が8日、岡山市内であり、地域住民ら約250人が住宅の耐震補強や災害時の避難行動などについて理解を深めた。

 岡山大学術研究院の西山哲教授(防災・減災工学)が「過去から学ぶ地震防災のための教訓」と題して講演。2016年の熊本地震で倒壊した家屋のうち7割以上は1981年以前の旧耐震基準で建てられていたとし、壁に筋交いを入れるなど耐震補強の重要性を訴えた。

 路面の液状化や地割れで車での避難が難しいケースがあることも説明。避難行動について「さまざまな状況を想定し、持ち物やルートを事前に決めておいて」と呼びかけた。

 岡山地方気象台の菅野能明台長は、地震発生の約1分半後に地域ごとの震度を発表するといった気象庁の速報体制について解説。岡山大の山崎淳一郎特定教授(危機管理学)は、企業や自治体がいち早く復旧・復興するために災害を想定した事業継続計画(BCP)を策定する必要性を指摘した。

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