〔国内〕2024年1月の災害を振り返る

2024年1月に発生した国内での大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。

※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。

●1月
【自然災害】石川県能登地方で「令和6年能登半島地震」発生、最大震度7を石川県志賀町と輪島市で観測
[被害]死者約240人 負傷者約1300人 安否不明者約20人
2024年1月1日16:10頃、石川県能登地方(北緯37.5度、東経137.3度)、深さ16kmを震源とするマグニチュード7.6の地震が発生した。この地震で石川県志賀町と輪島市で震度7、七尾市や珠洲市、穴水町、能登町で震度6強の揺れを観測した。気象庁はこの地震を「令和6年能登半島地震」と命名した。
また、地震による津波発生が予想されたことから、石川県能登地方には大津波警報が発表されたほか、日本海側の広い範囲で津波警報や津波注意報が発表された。大津波警報の発表は2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震以来、13年ぶりのことだった。観測された津波は当初、最大で輪島港で高さ1.2m以上とされたが、地震により能登半島の広い範囲で隆起などの大きな地殻変動が確認されたことから、後にこの観測記録を取り消している。なお、新潟県上越市では、遡上した津波の痕跡が高さ5.8mに達したことが確認されている。
政府の地震調査委員会によると、令和6年能登半島地震を引き起こした原因のひとつとして、複数の活断層が連動してずれ動いた可能性が高いとの見解を示している。本震以降も地震活動の活発な状態が続き、1月1日以降の地震回数は、2月8日までに最大震度6弱を2回、5強を8回、5弱を7回観測するなどあわせて1600回以上に達している。
一連の地震活動で人的被害は死者が約240人、負傷者が1300人近くに上り、20人程が1月末時点でも安否不明となっている(内閣府、石川県発表)。またライフラインでは停電や断水も能登半島の広範囲で続いており、発生から1か月経っても明確な完全復旧のめどは立っていない。

【事故】日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突し炎上
[被害]死者5人 負傷者16人
2024年1月2日17:47頃、東京都大田区の羽田空港で、日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が滑走路上で衝突し、両機体が炎上した。この事故で海上保安庁の航空機の乗員6人のうち5人が死亡し、1人が負傷した。また、日本航空の旅客機に搭乗していた乗員・乗客のうち、15人が負傷した。
国土交通省などによると、新千歳空港発羽田空港行きの日本航空516便が羽田空港のC滑走路に南側から着陸した際、滑走路上にいた海上保安庁所属のプロペラ機と衝突した。両機体とも衝突により炎上。日本航空516便は炎上しながら滑走路を進み、滑走路の北側で停止したのち、乗客・乗員379人は全員脱出した。
この事故で羽田空港は一時全ての滑走路を閉鎖していたが、A・B・D滑走路は2日の21:29に運用を再開、C滑走路は8日の00:00から運用を再開した。9日までに1491便が欠航し、26万人に影響した。現在、運輸安全委員会が衝突・炎上した2機のフライトレコーダー等を回収し、解析を行っている。
海上保安庁のプロペラ機は1日に発生した令和6年能登半島地震を受けて、羽田空港から新潟航空基地に支援物資を輸送する途中だった。

【自然災害】北日本から西日本の日本海側を中心に大雪
[被害]死者4人 負傷者15人以上
2024年1月23日頃から、日本付近に強い寒気が流れ込み、強い冬型の気圧配置が続いたことで北日本から西日本の日本海側を中心に広い範囲で大雪となった。
特に23日夜から24日午後にかけて、福井県、岐阜県、滋賀県の山間部で強い雪となり、6時間降雪量が岐阜県関ケ原町関ケ原で49cm、岐阜県本巣市樽見で43cmを観測するなど、4ヶ所で観測史上1位の値を更新した。また、24日の午前には福井県、滋賀県で「顕著な大雪に関する気象情報」が発表された。
この大雪で高速道路では立往生やスリップ事故が発生した。岐阜県関ケ原町の名神高速道路関ケ原IC付近では、上り線で5.5km、下り線で6.6kmにわたり、あわせて750台以上が立往生した。また、三重県菰野町の新名神高速道路上り線では、トラックのスリップをきっかけに車両6台が相次いで衝突し、3人が搬送された。
令和6年能登半島地震で被災した石川県能登地方でも大雪となり、22日に行われた国土交通省の緊急会見では、損傷を受けた家屋が積雪の重みで倒壊するおそれなどがあるとして、注意が呼びかけられた。

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