素直な視点で施策提案 課題踏まえ当局ただす 西和賀町中学生議会

生徒が学校生活や町の将来について質問した中学生議会

 西和賀町の未来を担う生徒が町議会を模擬体験する町中学生議会は5日、町役場湯田庁舎で開かれた。湯田中学校の3年生16人が教育、財政、観光など町が抱える課題について質問し、素直な視点からより良い地域づくりを考えた。

 髙橋雅一町議会議長、内記和彦町長、各課長らが参加し、町議らが傍聴。一般質問として、生徒が「沢内と湯田の中学校同士の交流を増やすべきではないか」「家庭学習のために重い教科書を持ち歩いている。デジタル教科書にすると便利でお金もかからないのでは」「町の豊かな自然を生かしたサバイバルゲーム施設を作ってはどうか」などと町の考えをただした。

 それぞれ担当課長が答弁し、「生徒数も減少し、学校同士で交流を深めるのは重要。小学校も含め、できるように環境整備を考えたい」「デジタル教科書は今年度から試験的に英語で導入している。本の教科書の良い点、デジタルの良い点がある。検証を踏まえて検討していく」「サバイバルゲームは町の特長を捉えているが、事業効果や法律規制の確認、地権者の承諾、財源確保、安全性、維持管理など調整すべき項目が多く、一つ一つクリアする必要がある」などと考えを示した。

 町に姉妹都市がないことについては、全校生徒に「交流したい姉妹都市」をアンケートするなど踏み込んで質問し、町側は「中学生の考え方を知ることができた。観光客増も期待される提案だが、姉妹都市締結にこだわらず観光の対象を広く捉えたい」と答えた。

 内記町長は「町を良くしたいという考えは素晴らしい。この体験を今後の勉強や進路に役立ててほしい」と期待。生徒代表は「さまざまな方向から政治を考え、自分から行動できるようにしていきたい」と感想を語った。

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