<レスリング>【パリまであと半年・特集】アジア予選に挑む階級・展望(男子グレコローマン67kg級)

史上初めて3年の間隔で開催される2024年パリ・オリンピックまで、2月5日であと半年となった(レスリング競技の場合)。昨年9月の世界選手権(セルビア)で各階級5選手の出場枠が埋まり、この春、大陸選手権(2月末~4月中旬)と世界最終予選(5月9~12日、トルコ・イスタンブール)で激しい争いが行われる。

日本は、男子8階級で出場枠獲得を目指す。約2ヶ月半後に迫ったアジア予選(4月19~21日、キルギス)の勢力分布を探った。


男子グレコローマン67kg級

《日本代表》曽我部京太郎(日体大)/《アジアの出場枠獲得国》イラン

2021年に東京オリンピックと世界選手権を制したモハマド・レザ・アブドルハム・ゲラエイ(イラン)のみが出場枠を獲得。

世界選手権で2022年3位・2023年5位のキルギス、2022年アジア選手権優勝のカザフスタン、2023年アジア選手権優勝のウズベキスタン、2023年アジア大会優勝の日本の争いとなるか。

昨年の世界選手権で5位入賞を果たしながら特別試合で敗れて出場枠を逃したアマツル・アスマイロフ(キルギス)は、前年の世界選手権は3位の実力者。2022年7月の「ピトラシンスキ国際大会」(ポーランド)で曽我部京太郎(日体大)がフォール勝ちしている相手だが、最も強敵と考えられる。

▲世界選手権で惜しくも出場枠獲得を逃したアマツル・アスマイロフ(青:キルギス)=UWWサイトより

カザフスタンは、2022年アジア選手権優勝で2023年アジア大会2位のメイルジャン・シェルマハンベトが出場枠を目指すか。アジア大会では遠藤功章と接戦を展開した選手。2018年世界選手権では3位に入っている27歳。36歳で現役を続け、昨年の世界選手権に出場したアルマト・ケビスパエフが2大会ぶりのオリンピックを目指す可能性もある。

ウズベキスタンは、昨年のアジア選手権優勝のアブロル・アタバエフが出てくるか。同決勝で曽我部がテクニカルスペリオリティ負けを喫した相手。世界選手権ではゲラエイ(前述)に敗れて25位に終わったとはいえ、あなどれない相手ではあろう。

オリンピック3大会度連続出場を目指すリュ・ハンス(柳漢壽=韓国)は、2022年アジア選手権で2位に入っているが、昨年はアジア選手権、世界選手権、アジア大会とも不振。2月で36歳。往年の実力は感じられない。

曽我部の敵は中央アジア3ヶ国と考えられる。


2023年アジア大会

[1]遠藤功章(日本)
[2]Shermakhanbet, Meirzhan(カザフスタン)
[3]Beishekeev, Razzak(キルギス)
[3]Sohrabi, Seyed Danial Seyed Shamsollah(イラン)
[5]Li, Lei(中国)
[5]Bakshilloev, Makhmud(ウズベキスタン)


2023年アジア選手権

[1]Atabaev, Abror(ウズベキスタン)
[2]曽我部京太郎(日本)
[3]Beishekeev, Razzak(キルギス)
[3]Kebispayev, Almat(カザフスタン)
[5]Mirzoradzhabov, Firuz(タジキスタン)
[5]Abbasi, Reza Mahdi(イラン)


2022年アジア選手権

[1]Shermakhanbet, Meirzhan(カザフスタン)
[2]Ryu, Hansu(韓国)
[3]遠藤功章(日本)
[3]Sahrawat, Sachin(インド)
[5]Bakhshiloev, Makhmud(ウズベキスタン)
[5]Badaghi Mofrad, Shahin Eidi(イラン)

© 公益財団法人日本レスリング協会