英インフレ問題、紅海情勢で悪化の恐れ=マン中銀政策委員

Andy Bruce Suban Abdulla

[ロンドン 8日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のキャサリン・マン委員は8日、海運の要衝である紅海で船舶に対する攻撃が続いていることについて、供給網の混乱による影響が直ちに企業の価格決定に及び、英国でインフレ問題が悪化する恐れがあるとの見方を示した。

英中銀は今月1日の金融政策委員会で政策金利を約16年ぶりの高水準である5.25%に据え置くと決定。9人の委員のうち6人が据え置きに賛成、ハスケル委員とマン委員は0.25%ポイントの利上げを、ディングラ委員は同規模の利下げに票を投じた。

マン氏はこの主張について「簡単なことではなかった」とした上で、実質所得の増加と労働市場の逼迫に加え、英国の金融情勢は緩和しすぎているとの自身の見方を踏まえ、0.25%ポイントの利上げを主張したと説明した。

その上で、紅海の状況などを踏まえると、英国のインフレ見通しは上方への衝撃に脆弱になっていると指摘。短期的な物価情勢だけでなく、企業の価格決定にも影響が及ぶ可能性があるとし、このところの高インフレ環境に追い打ちをかけるような物価上昇の衝撃が急速に企業のコストと価格に組み込まれ、状況が悪化することを懸念していると述べた。

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