トムソン・ロイター、四半期調整後利益が予想上回る AI製品が寄与

[ニューヨーク 8日 ロイター] - トムソン・ロイターが8日発表した2023年第4・四半期決算は利益が市場予想を上回った。コスト削減が奏功したほか、人工知能(AI)活用する法務関連向けなどの製品に対する需要が追い風となった。

また、大規模なAI言語モデルの訓練の支援に向けたニュースコンテンツのライセンス契約を締結したと発表。締結先の企業名や金銭面の詳細は明らかにしていない。

調整後の1株当たり利益は0.98ドルで、LSEGのまとめたアナリスト予想の0.90ドルを上回った。前年同期は比較可能なベースで0.75ドルの利益だった。

売上高は3%増の18億ドルと、アナリスト予想とおおむね一致した。

決算を受け、米上場株は約3.8%上昇した

主要5部門中、3部門が増収となった。ロイター・ニュース部門は生成AI関連のコンテンツライセンス収入が寄与し、売上高が11%増、調整後利益(税引き・償却前利益)が56%増となった。

また、第2・四半期末までに10億ドルの自社株買いを終了し、配当を年率10%増額する方針を示した。

24年のオーガニック売上高(買収・売却や為替相場などの影響を除く売上高)見通しは約6%増で、市場予想の5.7%増を上回った。

スティーブ・ハスカー最高経営責任者(CEO)は「24年は投資の年になる」とし、25、26年以降も生成AIを中心とした成長機会を見込むと述べた。

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