平野紫耀の圧倒的センター感、神宮寺勇太&岸優太の豊かな表現力……世を驚かせたNumber_iの“真の姿”

Number_iがグループとして始動してから約4カ月、音楽活動をスタートさせてから約1カ月が経った。デビュー曲の「GOAT」は、Billboard JAPANダウンロード・ソング・チャート「Download Songs」の1月10日と17日公開分で2週連続首位を獲得(※1、2)。MVの再生数はすでに3000万回以上と、怒濤の勢いが感じられる。

そんな「GOAT」のコレオグラフィービデオが、2月5日に新たに公開された。この映像でついに「GOAT」のダンスパフォーマンスの全貌が明らかになり、あらためて3人のダンススキルの高さを感じられる映像作品となっている。

「GOAT」は全編ラップのHIPHOPソングと、今までの彼らのイメージとは少し異なる楽曲だった。それゆえ、もともとHIPHOPが好きで興味を抱いたり、もしくはサブスクやSNSで偶然耳にしたりと、初めて3人のパフォーマンスを目の当たりにした人も多かったのではないかと思う。なかには、「こんなに歌って踊れる人たちだったんだ」と衝撃を受けた人もいるかもしれない。以前からなんとなく彼らの名前やキャラクターを知っていたと仮定して、特に驚くのは神宮寺勇太と岸優太だろうか。優しく紳士的なイメージのある神宮寺と、天然のイメージが強い岸だが、パフォーマンスにおいては表現力豊かな歌声とダンスで作品に彩りを添えるのが神宮寺勇太、変幻自在の歌声を持ちつつ難しいダンスも踊りこなしてしまうのが岸優太なのである。

ふたりのダンスもさることながら、長年の経験で培った圧倒的なダンススキルでパフォーマンスを牽引しているのが平野紫耀のように思う。そして、平野はその場にいるだけでつい惹きつけられてしまうような、“華”がある人の印象も強い。持って生まれた素質もあるとは思うが、『NYLON JAPAN GLOBAL ISSUE 04』のインタビューでも「パフォーマンス力を上げている最中」と答えていたように、常に高みを目指すストイックさが彼の魅力に磨きをかけているように感じる。

一方で、素に近い状態になると、パフォーマンス時の彼らとはまったく異なる和やかな雰囲気が垣間見える。たとえば、『TOBEの夏休み。~ハワイ独占密着!新たな決意~』(ABEMA/以下、『TOBEの夏休み。』)で見せた、時間を忘れて川で遊び続ける無邪気な姿。そんなギャップがあるから、彼らのことをもっと知りたくなって、つい追わずにはいられなくなる。3人でいる時に、度々独特な発言を繰り出す平野と岸に、ツッコミを入れる神宮寺(神宮寺も、TikTokで配信された『TOBE HIGH SCHOOL』でカメラを探すのに必死になって画面から見切れてしまうなど、たまに天然な部分が見え隠れするのだが)。「GOAT」で新たな一面を見せてくれたが、平野、神宮寺、岸の3人の本質的な部分は前から変わっていないのだと、少し安心する部分もある。

普段の光景とパフォーマンス時、両方を見ていて思うのが、やはり3人のバランスのよさだ。個性豊かな彼らだが、色も形も違う一等星が結ばれて形を作るように、それぞれが輝きを放っている。思えば、先にTOBEに所属した平野と神宮寺の本格的な活動開始がグループ結成以降だったのも、岸をもって3人で一緒にNumber_iを始める想いが強かったからだろう。『TOBEの夏休み。』内での罰ゲームでスカイダイビングに向かう岸に、平野が冗談交じりに「生まれ変わっても迎えに行くから」と言葉をかけていたが、「迎えに行く」という言葉は本心だったのだと思う。場所を移しての再スタートで、同じ目標を持った仲間がそばにいることは、それぞれ心強かったに違いない。

「3人が一緒にいてくれてよかった」――Number_i結成時、「GOAT」のリリース時、他にもさまざまコンテンツを見ていて、そう何度思ったことだろうか。この関係性が続くことを願いながら、彼らの今後の活動に期待したい。

※1:https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=dlsongs&year=2024&month=01&day=15
※2:https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=dlsongs&year=2024&month=01&day=22

(文=かなざわまゆ)

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