森保監督への守田英正訴えに「海外と違い日本では無理」と日本代表OB語るワケ

守田英正 写真:Getty Images

日本代表MF守田英正(スポルティングCP)は、2月3日開催のAFCアジアカップ準々決勝イラン戦後、戦術面における森保一監督の方針に言及。戦術面での議論が白熱する中、代表OBの内田篤人氏や安田理大氏が指揮官と選手のコミュニケーションの取り方に関して、海外と日本での違いを語っている。

守田はイラン戦でスタメン出場すると、FW上田綺世(フェイエノールト)のポストプレーから先制ゴールを奪取。ただ日本は後半に防戦一方の展開となる中で2失点。森保監督の選手交代を行うタイミングが議論の対象となる中、ベスト8で大会を後にした。

一部報道によると、守田は試合後のインタビューで戦術面におけるチーム全体の約束事を定めるよう、森保監督に訴えるようなコメントを残したとのこと。ネット上では「森保監督は方向性を明確にすべき」「森保監督は個人戦術に依存しすぎ」といった疑問が湧き起こっている。

それだけに、8日からインターネット動画配信サービス『DAZN』で配信開始の『内田篤人のフットボール・タイム』でも、守田の発言内容が話題に。内田氏が「いや、言ったなあと思うけど、それが正直(な思い)だと思う」と同選手の心中を察すると、安田氏は「(守田の言いたいことも)分かりますけどね。本当にどうして良いのか分からなかったと思う。向こう(海外)でプレーしているし、向こうだったら、ある程度自分の意見を主張しないといけないから」と、欧州クラブにおける監督と選手の関係性に言及している。

つづけて安田氏は「向こうでは『もっと自分の意見ぶつけて。何を考えているか分からないから』と、どの監督にも言われた。選手と監督がお互いに言い合って、2人で答えや着地点を探っていくという感じ。向こうでやっているから日本でも同じことをやったら、日本では無理だった。まだその文化はないというか」と、オランダ1部フィテッセやJリーグクラブでのプレーを回顧。

かつてドイツ1部シャルケやウニオン・ベルリンに在籍していた内田氏も「向こうでは(選手が意見を言う代わりに)監督の選手に強く言ってくる。(戦術面での約束事など)提示は海外の選手や監督の方があるかもしれない」とした上で、「選手の感覚や意見は大事なので、そこのバランスの問題だと思う」と、守田の発言に関するポイントをまとめた。

なお守田のコメントには、日本代表OBの城彰二氏も関心を寄せている模様。同氏は8日午後に自身のYouTubeチャンネルを更新。「守田はよく言ったと思う。選手としては、これ本当は言ってはいけないこと。自分たちのチームを崩壊させてしまう言葉じゃない。だけどそれだけフラストレーションがあったり、そのくらい自分たちも考えて選手はやるけど、でもどうにもいかなかったと思う」と私見を述べている。

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