ロッテ・大下誠一郎「打撃でアピールして、捕手もできるところを見せたい」打って、捕って、盛り上げる!

ロッテ・大下誠一郎はこの春季キャンプ、バットをたくさん振って、投手の球をたくさん捕って、そしていつものように大きな声を出しチームを盛り上げている。

まずは打撃。「このキャンプは数を振ろうと思っていたので、数多く振っています」。現役ドラフトで西武から加入した愛斗、高卒3年目を迎える松川虎生とともに全体練習後に室内練習場で長い時間、マシンを相手に黙々と打ち込む姿はこのキャンプの恒例となっている。

「形だったり、強く振ることが大前提でやっています」。闇雲に長い時間バットを振っているのではなく、試合で活躍するため、目的意識を持って振り込んでいるのだ。

◆ 捕手の練習もみっちり

守備では内野手登録だが、今季から「捕手8割、野手2割」と本人が話すように、連日ブルペンで投手の球を受けている。

投手陣からも“捕手・大下”は好評だ。1日にブルペンで大下に受けてもらった高野脩汰は「良かったです。去年のシーズン中にブルペンで何回か入ってもらっていたので、いつも通り行けました」と話せば、オリックス時代にチームメイトで2日にブルペンで受けてもらった吉田凌も「最初めっちゃ違和感があったので、内野手のイメージしかないので、知っている中なので投げやすかったです」と褒めた。

8日には午前中にブルペンで唐川侑己の球を受け、午後からは初めてライブBPで捕手を務め、中村稔弥、廣畑敦也、高野、横山陸人の4投手の球を受けた。大下は、打者が立った中で捕手をやるのは「全然違います。バッターが振ってくるので、結構怖かったです」と振り返る。キャッチャーミットは「自分が使ってるメーカーに送ってもらっています」とし、防具は「BP用のを借りてやっています。メーカーにキャッチャー防具を頼みました」とのことだ。

捕手をやっていて、打撃が活きてきそうな部分はあるのだろうかーー。「キャッチャーで精一杯なので、下半身が強くなったらいいなくらいっすかね」。現状では捕手でいっぱいいっぱいなようだ。

ただ、内野手登録の大下が捕手もできるようになれば、起用法の幅が広がり、「出場機会が増えるので、いいかなと思っています」と、本人にとってもメリットがある。

本職の内野でもシートノックではファースト、サードに入ってノックを受けており、7日のシートノックではサードのポジションで人一倍大きな声を出した。捕手では「ナイスボール、ヨコ」、「グッド曲がり」と控え目だが、内野では豊富な声出しレパートリーで存分に盛り上げる。

「まず、バッティングでしっかりアピールして、あとはキャッチャーもできるんだぞというところをしっかり見せたいと思います」。打って、捕って、声を出して、充実の春季キャンプを送る大下。本当の勝負はこれから。実戦が始まった時に、打って、捕って、守って、アピールしていきたい。

取材・文=岩下雄太

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