ECB、利下げ前にインフレ鈍化の証拠なお必要=レーン専務理事

[フランクフルト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン専務理事は8日、利下げにはインフレ率が目標の2%に向けて低下していることを示すより多くの証拠が必要との見方を示した。

米シンクタンクのブルッキングス研究所で行った講演で「入手しているデータはディスインフレ(インフレ鈍化)が目先、従来予想より加速する可能性を示唆している」と指摘。

これは前向きと解釈されるかもしれないが、ディスインフレが速まれば実質所得の伸びが加速し、2025年以降のインフレ圧力を強めて見通しを複雑にする可能性があるとした。

その上で「インフレが時宜を得て目標に達し、目標水準で持続的に落ち着くと十分に確信できるようになるには、ディスインフレのプロセスがさらに進む必要がある」と述べた。

賃金上昇については、昨年第4・四半期以降の重要なデータの多くをまだ入手していないものの、緩やかな減速の兆しが幾分見られるとした。

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