プーチン氏、ポーランド攻撃「関心ない」 侵攻後初の米インタビュー

David Ljunggren Ronald Popeski David Brunnstrom

[8日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は8日に公開されたインタビューで、ロシアは自国の利益のために戦うが、ウクライナでの戦争をポーランドやラトビアなど他国に拡大するつもりはないと述べた。

米FOXニュースの看板アンカーだったタッカー・カールソン氏のインタビューに応じた。インタビューは6日にモスクワで収録された。

プーチン氏がウクライナ侵攻以降、米国ジャーナリストとのインタビューを行ったのは今回が初めて。

インタビューでプーチン氏は、欧米指導者らはロシアに戦略的敗北を与えることは不可能だと理解するようになっているとし、次に何をすべきか悩んでいると指摘。「われわれは対話の準備ができている」と語った。

ロシアで勾留されている米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者については、ロシア人受刑者と引き換えに釈放することが可能かもしれないと述べた。

北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドにロシア軍を派遣するシナリオを想像できるかとの質問に「ポーランドがロシアを攻撃する場合だけだ。ポーランドやラトビアなどに何の関心もないからだ」と答えた。

プーチン氏はロシア語で話し、英語に吹き替えられた。インタビューのかなりの部分を2022年4月にトルコ仲介で行われた和平協議に関する不満に費やした。協議でウクライナは和平協定に合意寸前だったものの、ロシア軍がキーウ周辺から撤退した後に一方的に合意を破棄したと主張した。

また、米国には懸念すべき国内問題があると指摘。ロシアと交渉して合意すべきだと促した。米国は現在の状況を理解しており、ロシアが自国の利益のために最後まで戦うということを認識していると述べた。

ロシア大統領府はプーチン氏がインタビューに応じた理由について、カールソン氏の姿勢が多くの西側メディアによるウクライナ紛争の「一方的」な報道と異なったためと説明していた。

カールソン氏は西側メディアの報道の多くがウクライナ寄りだと指摘している。

同氏は11月の米大統領選に向けた共和党候補指名争いで独走するトランプ前大統領と親しい関係にあるとされる。

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