「楽しさ」大事に 自ら癒やす 山上順子さん 漆塗りや粘土細工展示

「“楽しい”の種を大事に制作している」と話す山上順子さん=佐賀市のギャラリー喫茶欒

 佐賀市の山上順子さん(45)が、漆塗りの器や粘土細工のオブジェなどの作品展を同市のギャラリー喫茶欒まどいで開いている。湧き上がる“楽しさ”を大事に手を動かした作品が並び、自らを癒やす表現活動を提案している。11日まで。

 山上さんは岐阜県の職人養成所で修行を積み、木工作品を手がけていた。作品展では、手になじむ漆塗りの弁当箱や、友人らの顔をモチーフに「噴水のようにアイデアが湧く」という粘土細工を展示する。会期中にはウクレレ演奏や歌も披露するなど、好きなものを詰め込んで多彩さを見せる。

 気持ちが落ち込んでいた3年ほど前、作家で建築家の坂口恭平さんの著書「自分の薬をつくる」に出合い、10歳のころに楽しんでいたことを思い出してスケッチや歌などの表現活動を始めた。「そうすると不思議に心が晴れてきた。言葉で伝えるのは苦手だが、行き詰まっている人に作品から何かが伝わればうれしい」と笑顔を見せる。(花木芙美)

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