米地銀NYCB、モーニングスターDBRSが信用格付け引き下げ

Manya Saini Niket Nishant

[8日 ロイター] - 格付け会社モーニングスターDBRSは8日、ニューヨーク州を地盤とする銀行持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の信用格付けを引き下げた。格下げの理由として、商業用不動産に対する「極めて大きな」エクスポージャーを挙げた。

フィッチとムーディーズは既に、NYCBの信用格付けを引き下げている。

NYCB株は先週以降で約60%下落。昨年第4・四半期決算で予想外の赤字を計上したことや、規制に対応するための減配を発表したことを受けて売られた。

モーニングスターDBRSはNYCBについて「流動性は十分のようだが、昨年春の一連の銀行破綻を考慮するとともに、NYCB株の大幅下落を含む同社に逆風となるリスク要因が最終的に顧客および預金者の信頼観を揺るがす可能性があることを踏まえると、当社は慎重な姿勢を維持する」と説明した。

NYCBの経営陣は投資家の信頼回復を試みている。新たにNYCBの会長に就任したアレッサンドロ・ディネロ氏は7日、商業用不動産向け融資債権の売却やバランシシートからの切り離しを検討すると表明。必要があれば、自己資本比率を改善するため、非中核資産の売却によってバランスシートを圧縮すると付け加えた。

アナリストの間では、こうした経営陣のメッセージを評価する声も聞かれる。だが商業用不動産に関連した借り手は高金利や高い空室率のため債務不履行のリスクがあると警戒するアナリストもいる。

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