マネーストックM3、1月+1.8% 現金は04年以降最大の減少率

Takahiko Wada

[東京 9日 ロイター] - 日銀が9日に発表した1月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比1.8%増の1598兆円となった。伸び率は前月の1.7%をわずかに上回り、残高は3カ月連続で増えた。一方、現金通貨は2004年に現行の調査が始まって以降、最大の減少率となった。キャッシュレス化の進展が影響しているとみられる。

M3の内訳では、預金通貨が4.4%増の968兆8000億円で、残高が過去最高を更新した。現金通貨は0.3%減の116兆6000億円、CDは10.9%減の27兆5000億円。

M2は2.4%増の1242兆9000億円。残高は過去最高を更新。広義流動性は2.2%増の2124兆6000億円で、こちらも過去最高を更新した。

広義流動性のうち、投資信託は2.7%増の94兆2000億円。伸び率は前月の3.1%を下回る一方、残高は前月を6000億円上回った。日銀の担当者によると、現時点で新NISA(少額投資非課税制度)開始による影響は分かっていないという。外債は16.8%増の33兆2000億円。円安の影響で15年1月以来の高い伸び率となった。

広義流動性の速報値は一部推計が含まれており、来月の確報以降にデータが改訂される可能性がある。

(和田崇彦)

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