アストラゼネカ、第4四半期利益が予想下回る 今年は増収増益見込む

Eva Mathews Maggie Fick

[8日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカが8日発表した2023年第4・四半期決算は、利益がアナリスト予想平均を下回った。研究開発の強化や新興国市場における一部医薬品の値下げが響いた。利益が市場予想を下回るのは8四半期ぶりだった。

今年はブロックバスター(大型新薬)の抗がん剤の好調を背景に増収増益を見込んでいる。総売上高と1株当たりコア利益の伸び率は2桁台前半から16%までと予想している。

肺がん治療薬「タグリッソ」の昨年の売上高は9%増える一方、同「イミフィンジ」の売上高は55%急増した。白血病薬「カルケンス」の売上高は23%増となった。さらに希少疾病薬「アルトミリス」や糖尿病薬「フォシーガ」などの売り上げも伸びている。

アストラゼネカは新型コロナウイルス治療薬の売上高減少に伴い成長が鈍化するとのアナリストの予測には、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ワクチンと肥満症治療薬市場に迅速に参入することで対応している。

サリン最高財務責任者(CFO)は決算発表後の記者団との電話会議で、仏同業サノフィと共同開発した乳児用RSVワクチンの需要は旺盛で、中国での承認を受け、今年は大幅な生産能力増強を計画していると語った。

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