バブル期の台湾 時代と大人たちの狭間で成長していく少年 門脇麦出演 「オールド・フォックス」公開決定

侯孝賢(ホウ・シャオシェン)がプロデュースし、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐシャオ・ヤーチュエンが監督した映画「オールド・フォックス 11歳の選択」が、2024年6月14日より劇場公開されることが決まった。また、門脇麦の出演も発表された。

「オールド・フォックス 11歳の選択」は、バブル期の到来を迎えた台湾を舞台とした作品。11歳のリャオジエ(バイ・ルンイン)は、父(リウ・グァンティン)と2人で台北郊外に暮らしている。自分たちの店と家を手に入れることを夢見る父子だったが、不動産価格が高騰。リャオジエは現実の厳しさと、世の不条理を知ることになる。そんなリャオジエに声をかけてきたのは、“腹黒いキツネ”と呼ばれる地主のシャ(アキオ・チェン)だった。他人にやさしい父と違い、他人なんか見捨てろと言い捨てるシャ。果たしてリャオジエは、どちらの道を歩んでいくのか。

主演のリャオジエを演じるのは、「Mr.Long ミスター・ロン」などで知られる、日台のダブルで台湾では神童と呼ばれる子役のバイ・ルンイン。「1秒先の彼女」のリウ・グァンティンが、ダブル主演としてリャオジエの父親役を演じる。“腹黒いキツネ”(オールド・フォックス)と呼ばれる地主のシャ役にはアキオ・チェン、秘書役に「怪怪怪怪物!」のユージェニー・リウ、経済的には恵まれているが空虚な日々を生きる人妻・ヤンジュンメイ役に、初の台湾映画出演となる門脇麦が顔をそろえる。

門脇麦、シャオ・ヤーチュエン監督のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■門脇麦/ヤンジュンメイ役
台湾映画でしか感じられない色彩や湿度、空気感がどうしたって強烈に昔から好きで、これまで沢山の台湾の作品に触れてきました。
台湾映画に出演できるなんて信じられない!と夢心地で現場に向かい、スクリーンに映る自分を観ても、やっぱり信じられない!と夢心地で、幸福すぎる時間を過ごさせていただきました。
その場にただ居さえすれば全てが成立する現場の空気、監督の言葉以上に何かが伝わる眼差し、今思い出しただけでも胸が震えるような、そんな経験をしました。
日本での公開、とても嬉しいです。1人でも多くの方にこの作品が届きますように。

■監督:シャオ・ヤーチュエン
他人を思いやることですべての社会問題が解決できると思うほど、私も単純ではありません。しかし思いやりがなければ、社会的な格差と矛盾は拡がっていくことでしょう。では現代社会に向き合い、私は父親として、思いやりが人間としての基本であることを、子供にどう説明したものでしょうか?「オールド・フォックス」このストーリーは、私が子供から十年以上も受け続けた問いが発端となっています。かつて私は両親から価値観を与えられました。しかし世界は変わっていきます。私自身にも新たな学びが必要です。それによって私は自分の子供たちに、変わっても良いもの、変えてはいけないものが何なのかを、伝えられるのではないでしょうか。

【作品情報】
オールド・フォックス 11歳の選択
2024年6月14日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開
配給:東映ビデオ
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