ホタテのまち、食べて応援! 東松山特支校、北海道八雲町のホタテが給食に 「思ったより多く」献立変更

「ホタテごはん」を味わう児童=7日午後、埼玉県東松山市野田の県立東松山特別支援学校

 北海道産ホタテを食べて水産加工業者を応援しよう―。中国の日本産水産物の禁輸措置を受け、北海道八雲町の水産加工会社に保管されていたホタテが7日、埼玉県東松山市野田の県立東松山特別支援学校(森田暢宏校長、児童・生徒数169人)の給食に提供され、児童・生徒たちは、おいしそうに頬張っていた。

 八雲町は北海道南西部の渡島半島の中央にある。酪農やホタテ養殖を中心とした農漁業が盛んな地域で「ホタテのまち」とも呼ばれる。昨年夏、東京電力福島第1原発の処理水の放出を受け、中国が日本の水産物輸入を停止したことで、町内の水産加工業者は深刻な影響を受けている。このため同町は水産加工業者を支援するため、輸出できずに保管されているホタテを買い取って、全国の学校給食や社員食堂などに提供し、「八雲の魅力」を発信することになった。

 この話を、同校の栄養士・関勝代さんが、北海道の栄養士から聞き、「食材が高騰、通常なら提供できない、北海道のホタテを子どもたちに食べさせたい」との思いから森田校長に相談し、応募したところ、採用された。1日、八雲町からホタテ(約17キロ)が届いた。思ったより、量も多かったので、給食室で相談の結果、当初の献立も変更した。

 献立は「ホタテご飯」「ホタテのバターじょうゆ焼き」「みそ汁(ジャガイモ、エノキタケ、ホウレンソウ)」「白あえ」と牛乳。

 給食の前には、担任の先生から、決して安価ではないホタテを給食で使えるのは、八雲町からの無償提供があったことや、日本の水産加工業者が深刻な影響を受けていることなどが説明された。この後、ホタテをふんだんに使った“サプライズメニュー”が振る舞われた。6年生の男子児童は「かみ応えがあっておいしい」と話していた。

ホタテをふんだんに使った“サプライズメニュー”

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