朝採れウニ、新幹線で素早く東京へ 久慈市漁協がモデル事業

 

 久慈市漁協(川戸道達三組合長)は8日、蓄養したウニを生きたまま新幹線で東京都内に直送する初のモデル事業を行った。トラックに比べ大幅に輸送時間を短縮でき、朝採ったウニが夕方には飲食店に届く。鮮度を売りに高級店の需要を見込み、販路開拓を進めて新たなビジネスに育てたい考え。軌道に乗れば漁業者の所得向上が期待される。

 空が朝焼けに染まり始めた午前6時、同市侍浜町の麦生(むぎょう)漁港で南侍浜漁業研究会(26人)の舛森(ますもり)清会長(58)が海からキタムラサキウニを引き上げた。「黄金雲丹(うに)」の名でブランド化する60個(6キロ)を三つの箱に分けて詰めた。

 県北バス久慈営業所まで車で運び、「久慈こはく号」に載せてJR盛岡駅へ。同10時50分発の東北新幹線で東京駅に向かい、午後4時ごろにはホテルメトロポリタン池袋(豊島区)、八芳園(港区)、青山星のなる木(渋谷区)に各1箱が届けられた。今回は各店のシェフらが試食などに使った。

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