台湾が中国への団体旅行禁止、旅行業者は面食らう―中国メディア

8日、ドイチェ・ヴェレは、台湾当局が中国本土への団体旅行を改めて禁止すると発表したことに対し、台湾の業界内から反発の声が出ていると報じた。写真は台湾桃園空港。

2024年2月8日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、台湾当局が中国本土への団体旅行を改めて禁止すると発表したことに対し、台湾の業界内から反発の声が出ていると報じた。

記事によると、台湾交通部観光署観光業チームの湯文琦(タン・ウエンチー)リーダーは7日、台湾メディアに対し「われわれの海峡両岸団体旅行再開を目指す方向性は変わっていないが、中国が台湾への団体旅行客を開放しないことや、『M503』航路を一方的に変更したことなどを考慮し、現時点で中国への団体旅行開放に適していないと判断した。7日より中国への団体ツアー企画を禁止し、台湾の旅行代理店に募集を停止するよう求めることを決定した」と発表した。

また、台湾政府が昨年11月に最短で今年3月から中国本土への団体ツアーを開放すると発表したことを受け、旅行代理店各社が前倒しで関連ツアーの宣伝、販売を開始していたことから、同部が業界と消費者の権益を守るため3月1日から5月31日までの団体ツアーについては予定通り実施可能としたことを伝えている。

今回の発表に対して台湾の観光業界からは「政府の行動は選挙前の公約と矛盾している」との批判が出ているといい、高雄市の観光業界団体会長は「選挙前に(3月に開放すると)われわれをなだめておきながら、昨日団体ツアーを禁止した。しかも春節直前のタイミングで禁止を発表するのは極めて意図的であり、政治を利用して観光業界の生存権を絞めつけようとしている」とコメントするとともに、春節の連休明けに各地の業界団体と対策を協議の上、交通部などの関連部署に説明を求めることも明らかにした。

さらに、業界関係者は「これほど重要な決定をするのであれば、少なくとも業界に相談すべき。政府は事前に公聴会や諮問の場を全く設けなかった」と述べ、台湾政府がツアー禁止を業界に事前通知しなかったことを批判。「台湾政府は消費者や旅行業界を中国との戦いの武器として利用すべきではない」と述べた。

記事は、中国本土の台湾事務弁公室の朱鳳蓮(ジュー・フォンリエン)報道官が「昨年8月以降、台湾側は何度か中国本土への団体ツアーを再開する予定だと主張してきたが、そのたびに条件を付けており、常に政治的な算段を含めている。これは台湾人と観光業界による民進党当局への不満をさらに募らせるだけだ」とコメントしたことを併せて紹介した。(翻訳・編集/川尻)

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