ユニリーバ、16億ドルの自社株買い 通期営業利益は予想下回る

Richa Naidu

[ロンドン 8日 ロイター] - 英食品・日用品大手ユニリーバは8日、15億ユーロ(16億ドル)規模の自社株買いを開始すると発表した。昨年第4・四半期に販売量が過去10四半期で初めて増加したことを受けた措置。

同日発表した2023年通期決算は、基調的営業利益が前年比2.6%増の99億ユーロとなったが、アナリスト予想平均の104億ユーロを下回った。基調的営業利益率は60ベーシスポイント(bp)上昇して16.7%となったが、アナリスト予想の16.9%に届かなかった。

ハイン・シューマッハ最高経営責任者(CEO)は「当社の競争力は依然として期待外れであり、業績を全般的に改善する必要がある。われわれはこの作業の初期段階にあり、やるべきことは多いが、ユニリーバを一貫して一段と高い業績を上げ続ける企業に変革するためにスピードと緊急性をもって動いている」と述べた。

今年通期の基調的営業利益率は「緩やかな改善」を見込み、基調的売上高の増加率は複数年にわたるレンジである3─5%の範囲内に収まると予想している。

消費財業界は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受け、ひまわり油から輸送費、包装材、原材料に至るあらゆるコストが上昇し、利幅を守るのに苦戦している。2022年にロシアがウクライナに侵攻してからコストはさらに上昇し、エネルギーコストは過去最高を記録した。

シューマッハ氏は記者団に対し、今年もインフレは続くと見込まれるが、いずれは2.5─3%の通常の範囲に戻るとの見方を示した。

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