3校統合、4月誕生 新しい学校に「愛着持てるよう」地域ぐるみでシンボル考えた 校章→中学美術部がデザイン、校歌→児童文学作家・椋鳩十さんの孫が作詞 鹿児島・さつま

薩摩小学校の校章デザインを手がけた宮之城中学校美術部=さつま町宮之城屋地

 鹿児島県さつま町薩摩地区の求名、永野、中津川の3小学校が統合し、4月に開校する「薩摩小学校」の校章と校歌が決まった。校章のデザインは、地元の宮之城中学校美術部の生徒が担当。校歌は町にゆかりの深い故椋鳩十さんの孫にあたる久保田里花さん(52)=鹿児島市=が歌詞を手がけた。

 校章と校歌は、児童や住民がより薩摩小に愛着が持てるよう、地域に縁のある人たちに制作を依頼。3校の校長や保護者らでつくる再編準備委員会が1月下旬に決定した。

 宮之城中の生徒は3校に加え、薩摩地区の生徒が通った旧薩摩中学校(2019年3月閉校)の校章をもとにデザインを検討。アイデアを出し合い、求名と永野の桜、中津川の丸十字、旧薩摩中の翼を組み合わせた案を採用した。求名小の卒業生で2年の坂元響歌さんは「後輩たちには仲良く支え合ってほしいとの願いを込めた。いい記念になった」と喜んだ。

 新校歌について、曲は同町の音楽家小原裕貴さん(53)が、旧薩摩中の校歌を生かしながら編曲加筆して制作。歌詞は、椋さんが町内の旧流水小学校で親子読書を試験導入したり、別の小学校校歌の歌詞を手がけたりした縁があったことから、久保田さんに頼んだ。

 久保田さんは地区内を取材し、3校の名前に加え薩摩地区で最も高い山の「中岳」、永野金山や金吾様踊りを連想する「金」などの文言を盛り込み、住民や出身者が地元をイメージしやすい歌詞に仕上げた。久保田さんは「自然豊かな土地で地域の人たちに支えられ、感性を豊かに育ってほしいとの願いを込めた」と話した。

■薩摩小校歌 
1 緑あふれるこの町で 出会えたみんなは宝物 求名に 永野 中津川 手と手をつないで 歌おうよ 夢ひろげよう 薩摩小学校
2 金の陽かがやく青い空 歴史と文化の風薫る 澄んだ心で感じよう たくさん学んで未来への 扉をひらこう 薩摩小学校
3 みんなを見守る中岳と 生命育むこの大地 力いっぱいふみしめて どんなことも乗り越えられる 勇気をだそう 薩摩小学校

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