20得点をマークした馬瓜エブリンがチームメートにエナジー注入…「これが私の生きる道です」

2月9日(現地時間8日)にハンガリーにて「FIBA女子オリンピック世界最終予選(OQT)」が行われ、日本代表(FIBAランキング9位)がスペイン代表(同4位)と対戦した。

試合は、出だしから宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)が前線から激しく当たりプレッシャーの強いディフェンスをリード。それに呼応するかのように、日本のシューター陣、林咲希(富士通レッドウェーブ)や山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)の3ポイントシュートが決まり、リードを奪っていった。

第2クォーターに入ると、東京オリンピック以来の代表戦となった馬瓜エブリン(デンソーアイリス)が躍動。コーナーからの3ポイントやドライブで次々と加点し、スペインにリードを渡さなかった。後半に入っても流れは変わらず、日本は3ポイントを中心としたオフェンスで攻勢を弱めず、最終スコア86−75で勝利。4チーム中、3チームにパリオリンピックへの出場権が与えられる大会において、大事な初戦に勝利した。

この試合で林とともに20得点を挙げたのが馬瓜。試合後のメディア対応では、「正直ホッとしてます。初めて(公式戦で)スペインに勝てたのはいいきっかけになったと思います」と試合を振り返った。

この試合はベンチスタートとなった馬瓜だが、コートに入ればエンジン全開のプレーでチームをけん引。「これが私の生きる道ですから(笑)。自分の持っているエナジーを(チームメートに)どのように伝染させるかがカギだと思っていたので、それはできてよかったと思います」と笑顔を見せた。

「私のバスケ人生でもいつもそうなんですけど、1本目を決めることがすごく大事で。ただ今日は、それ以上に自分が引かずにみんなに勇気を与えられるプレーを1本することによって安心させたかったと思っていました。それが3ポイントという形で表れたんだと思います」の言葉どおり、馬瓜がコート上でチームメートを鼓舞することで、日本の勢いは最後まで衰えることはなかった。

OQTは短期決戦だけに、初戦の結果がその後の戦い方を大きく左右する部分が大きい。「東京オリンピックのときも(予選リーグの初戦で)フランスに勝って勢いに乗れました。今日は自分がどんなプレーをするのかでチームがどんな雰囲気になるのか、影響するかなと思っていました」と、それについては織り込み済みだ。

「プレッシャーはありましたが、そこは割り切って。良くても悪くてもいろんなことを乗り越えてきたから自分はこの一戦を信じてやるかしかないと思っていました。そういう意味ではいい形になって表れて良かったと思います。ただこれが悪かったとしても何もここで落ち込むことはないです。今までの自分だったら落ち込んでしまったかもしれないですが、みんなが助けてくれます。特に宮崎です」

チームに勢いと勇気をもたらした馬瓜だが、チームメートも馬瓜を支えていると実感。これからの2試合もチーム一丸になって戦う準備は整った。

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