「浦和の名に恥じるプレーはできない」パリ五輪予選に選ばれた清家貴子、期待の大きさに「絶対に勝たないといけない」

パリ五輪予選に臨むなでしこジャパンに選ばれた清家貴子[写真:©超ワールドサッカー]

三菱重工浦和レッズレディースのFW清家貴子が、パリ・オリンピック アジア最終予選に向けて意気込みを語った。

日本サッカー協会(JFA)は8日、なでしこジャパンのメンバー22名を発表。アジアに2枚しかない切符の1枚を懸けて戦う、北朝鮮女子代表戦に向けたメンバーに清家も選出された。

なでしこジャパンの中心の1人であり、様々なポジションで起用されながらもゴールへ向かう姿勢が特長の清家。チームはシーズン再開に向けて8日に再始動し、2日目となったトレーニング後に囲み取材に応じ、代表選出への思いを語った。

「まず直近の目標にしていた部分でもあったので、選ばれたということは率直に嬉しかったですし、安心した気持ちもありました。ただ、オリンピックの出場権を獲得することが一番なので、次はそこに向けてという感じです」

今回のメンバーには、浦和Lからは高橋はなと石川璃音も選出された一方で、皇后杯で重傷を負った猶本光は選外となった。

浦和を背負って戦うことについては「たくさんのレッズサポーターが試合を見てくれますし、応援もしてくれるので、浦和の名に恥じるプレーはできないですし、もちろん日本も背負っているので、そういうプレーはできないと常々感じています。浦和レッズの清家貴子を世界に見せたいと思います」とコメント。強い意気込みを持って臨むという。

皇后杯では決勝まで進んだものの、PK戦の末にINAC神戸レオネッサの前に敗退。「悔しかったですけど、割とあの日でチームとして悔しさを消化できたというか、結果としてPKでの負けになってしまったので、誰を責めることもできないですし、みんなで良い戦いもできたので、そこを良しとして、次に向けてみんなで話して楽になりました」と、すぐに切り替えはできており、五輪予選に向けても集中できているという。

相手の北朝鮮はパワーもあり力強いプレーを見せてくる相手。清家は印象について「球際の強さだったり、戦う気持ちという部分は本当に強いなと思います」と語り、「そこは選手として負けてはいけない部分だと思うので、そこと戦えるような体づくりをしたいと思います」と、しっかりと鍛えてき行きたいとした。

この最終予選はホーム&アウェイで行われ、24日にアウェイで、28日にホームで対戦する。ただ、現在北朝鮮でのアウェイゲームが中立地になる可能性があるとされており、戦う場所が未定となっている。

清家は開催地について「北朝鮮に行くというので、色々な不利な状況になることは予想していましたけど、1つが人工芝でやることがあったので、その準備はしていました」とコメント。「天然芝でできるのであれば嬉しいなと」と、ピッチの問題に言及。「北朝鮮に行かなくて良いのであれば、そこはポジティブに捉えたいです」と、中立地になった方がプレーしやすい環境だと語った。

2試合での決着については「あまり経験がないので、個人としては一戦一戦全力で戦うことだけだと思う」と語る清家。1戦目の結果を受けて、ホームでの試合は思惑も変わってくるはず。「ゲームコントロールについてはチームの話を聞いてという感じになります」と、そこは池田太監督らスタッフに任せたいとした。

自身のプレーについては「代表だとどこで出るか、サイドバックかフォワードか、サイドハーフかわからないですけど、どこで出ても自分の良さというか、点を取っていく、チームとして点を取っていくためにどんな動きをしたら良いかを考えることは絶対持って行きたいです」とコメント。ゴールに向かうという自身の特徴を出したいと意気込んだ。

日本が予選を突破して五輪切符を掴むとなると、2012年のロンドン五輪以来となる。当然経験していない選手しかいない状況だが、清家は「正直想像できないというか、自分としては北朝鮮とのホーム&アウェイを勝ち抜くということしか考えていないところしか見ていないです」とコメント。ただ、メンバー入りしたことでの反響は大きかったようで「オリンピック予選ということでメンバー発表されて、周りからの言葉や期待を受けて、この大会に出ることの大事さを改めて確認させられましたし、身が引き締まるというか、絶対に勝たないといけないなと感じました」と、2016年は逃してしまった五輪切符をしっかりと掴みたいと誓った。

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