午後3時のドルは一時149.49円、2カ月ぶり高値 介入警戒も

Shinji Kitamura

[東京 9日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場終盤と変わらずの149円前半で取引されている。日銀の連続利上げ観測の後退から円が弱含みやすくなっており、ドルは日中に一時149.49円まで上昇。昨年11月27日以来2カ月ぶり高値を付けた。

前日、内田真一日銀副総裁の発言を手掛かりに強まった円安地合いは、この日も変わらず。植田和男総裁が午前中の衆院予算委員会で、内田副総裁の発言を追認する趣旨の発言をすると、昼過ぎにドルは再び高値へと進んだ。

植田総裁は予算委で、内田副総裁の発言について問われ「現時点で見えている将来の経済物価の動きを前提とすると、先行き、マイナス金利の解除を実施したとしても、緩和的な金融環境が当面続く可能性は高い」と述べた。

市場では「(総裁が副総裁の発言を)特に『火消し』をすることはなかった。マイナス金利の解除後も緩和的な金融政策を継続する、という方針はおそらく日銀の総意なのだろう」(トレイダーズ証券市場部長の井口喜雄氏)との声が出ていた。

しかし、多くの市場参加者が介入ラインと位置付ける150円乗せが迫り、買いの勢いは次第に失速。149円前半で一進一退となった。「今週末の日本は連休となることもあり、円売りをいったん手じまいする向きが多いようだ」(FX会社)という。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 149.39/149.42 1.0769/1.0773 160.91/160.95

午前9時現在 149.26/149.27 1.0777/1.0778 160.87/160.89

NY午後5時 149.31/149.33 1.0776/1.0780 160.92/160.95

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