王者復活!ファーウェイの中国市場でのスマホ販売台数が再びトップに

2024年の第1週と第2週に中国市場で販売台数が最も多かったスマートフォンはファーウェイの製品だった。同社にとって、2019年に米国が制裁を発動して以来初の「首位返り咲き」だった。

自主努力で米国による制裁影響を解消へ

技術関連に特化した世界的な調査会社のカウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチが4日に発表したリポートによると、2024年の第1週と第2週に中国市場で販売台数が最も多かったスマートフォンは、華為技術(ファーウェイ)の製品だった。ファーウェイのスマートフォンは、米国が同社に対する制裁を2019年に発動して以来、シェアが大きく低下していた。シェア1位になったのは、制裁発動後初めてだった。

リポートは、ファーウェイが独自開発した「Kirin 9000s」チップを搭載した「Mate 60」シリーズがシェア回復に大きく貢献したと指摘した。また、同社製品を強く好む消費者の存在、いわゆるブランドロイヤルティーが強大であることや、やはり独自開発したHarmonyOSの成功も、同社スマートフォンにとって追い風となったという。

リポートは、中国ブランドがハイエンド市場へと歩みを進めていることにも言及した。中国のハイエンドスマートフォン市場の2023年成長率は27%だった。アップルは同年前半には好調だったが、第3四半期(7-9月期)になるとファーウェイなど中国ブランドにシェアが蚕食されるようになった。中国ブランドはハイエンド市場で引き続き力を発揮する見通しという。

国際的なデータ会社のIDCの1月25日の発表によれば、2023年第4四半期(10-12月期)、中国のスマートフォン市場の出荷台数は前年同期比1.2%増の約7363万台で、市場全体は成長傾向に回復したものの、業績は予想を大幅に下回った。メーカー別では、アップルが中国市場で1位で、2位から5位までは栄耀(HONOR、オナー)、vivo、ファーウェイ、OPPOと続いた。

オナーは、ファーウェイが2023年下半期のスマートフォン市場で「Mate 60」シリーズなどにより攻勢に出た影響を最も強く受けたと話題になったが、実績を見ると落ち込んではおらず、中国ブランドのスマートフォンで売り上げ台数が1位だった。オナーの好調には、800ドル以上の価格帯でも折りたたみ式スマートフォンが貢献したとされる。

課題は残るが「王者復活」の印象は強烈

IDCの中国担当シニアアナリストである郭天翔氏は、中国のスマートフォン市場は再び成長に転じはしたが、2024年の市場予測については慎重さと楽観的な態度を両立させるべきと指摘した。

第一財経によると、ファーウェイがハイエンド市場を改めてアップルから勝ち取ることができるかについては、業界から「まだ課題が残る」との見方が出ている。例えばファーウェイは年間を通じての書き入れ時の一つである国慶節期に向けて、競争を優位に進めるために販売店と契約を早めに実施して、代金を徴収した。そうしておけば、販売店がファーウェイ製品に力を入れるからだ。しかし実際の製品の動きを見ると、Mate60の需要が最も大きかった時期に製品を十分に販売店に回すことができなかった。そのために、ファーウェイ製スマートフォンの品薄状態が出現したという。

しかしいずれにしろ、開発から販売戦略に至るまで、さらにはそれ以外のさまざまな努力により、ファーウェイのスマートフォンの販売は現在までに「王者復活」の様相を呈するに至った。また、米国の制裁を受けたファーウェイが、鉱山業界や自動車業界、太陽光発電などに技術を提供するB2Bのビジネスモデルの構築や、さらにはデータセンターなどの事業にも力を入れたことも重要だ。同社は米国による制裁に苦しみつつも、企業として「懐を大いに深くした」と言える。

中国市場でアップルに異変、自国ブランド志向が直撃か

一方で、「様子がおかしい」のがアップルだ。同社が1日に発表した2024会計年度1四半期報告(2023年10-12月期)では、同社の同四半期売上高はアナリスト予想の1179億7000万ドル(約17兆6000億円)を上回る1195億8000万ドル(約17兆9000億円)で、売上高は前年同期比増に復帰した。また、同期のiPhoneの売上高は予想の685億5000万ドル(約10兆2000億円)を上回る697億7000万ドル(約10兆4000億円)だった。

アップルの全世界における2023年10-12月期の業績は「まずまず」と言ったところだ。しかし報道によれば、投資銀行のジェフリーズのアナリストはリポートの中で、アップルは中国の主要ECプラットフォームで多くのiPhoneモデルの大幅値下げを実施したにもかかわらず、販売台数は新年の最初の週には前年同期比30%減だったと論じた。同アナリストは、アップルの販売減少の原因について、中国ブランドとの競争が激化し、特にファーウェイが2023年8月の「Mate 60」シリーズを発表して以来、ハイエンド市場に「強力回帰」したことを強調した。

アップルは1月中旬にも大規模な値下げキャンペーンを実施した。アップルは年越し時期の値下げキャンペーンを毎年実施しているが、今年の場合には大幅な値引きであり、さらに最新世代のiPhoneの値引きの対象になっているなど、異例な点が目立つという。(翻訳・編集/如月隼人)

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