遊びに行くのはイオンぐらい… 高校生発案の“ラウンドワン誘致大作戦” 企業側からの回答は「通常サイズの出店は難しい」しかし「違う判断基準など模索していく」大人を動かした高校生の熱意

ボウリングやカラオケなどが楽しめるアミューズメント施設、ラウンドワン。全国展開していますが、愛媛県内では松山市に1店舗があるのみ。このラウンドワンを「ぜひ自分たちの街に誘致したい!」と、高校生が誘致を目指しています。会社側が生徒たちを招待し、そこで回答が伝えられました。

去年12月、愛媛県立新居浜南高校の生徒たちが記者会見を開き、ラウンドワンの誘致活動を始めると宣言しました。主権者教育を取り入れている新居浜南高校では、生徒らが授業で地域の課題などを学んでいます。街が抱える課題の1つ、若者の定住には遊び場が必要と考えた一部の生徒が校内でアンケートを実施。その結果、ラウンドワンが欲しいという回答が最も多かったことから、生徒の有志で委員会を作り誘致活動に乗り出したのです。

生徒たちは、新居浜市議会に出向いたり、学校で疑似体験会の開催したりと“熱烈なラブコール”を送ってきました。そして2月3日、新居浜市内の別の高校の生徒と一緒に、松山店に招待されました。

ラウンドワンが生徒を招待した目的の1つは、実際に施設を体験してもらうこと。中にはラウンドワンを初めて訪れた生徒もいて、ボウリングやゴーカートなどを約5時間、思う存分楽しみました。

参加した女子高校生
「やっぱり新居浜にはラウンドワンが必要だと思います。家族とか子ども連れの人にはすごく良い場所だと思います」

そしてラウンドワンが生徒たちを招待したもう1つの目的、それが、誘致委員会からのラブコールに対し回答を伝えることです。

双方に緊張が走る中、責任者から出た言葉は…

ラウンドワン運営部 柳田倫孝部長
「新居浜市の商圏で通常サイズの店舗の出店は、総合的に判断して難しい。これがまず1つの答えです」

検討の結果、松山店のような通常サイズの出店は困難という回答でした。

しかし…

ラウンドワン運営部 柳田倫孝部長
「今までの判断基準であれば可能性はゼロでした。しかし、今回皆さんからわれわれは新たな気付きを得たので、会社としても違う判断基準、いろんな事を模索していこうというふうになっています」

今後、小規模で営業形態を工夫した形での出店を模索することを約束してくれました。高校生たちの熱い思いがラウンドワンを動かし、望みをつないだのです。

新居浜南高校 誘致委員会 山中彰恭(あきただ)さん(3年)
「自分達がこうやって起こした行動でたくさんの人を巻き込んで、こういう関りが持てたことがすごく良い経験になったと思います」

新居浜南高校 誘致委員会 三木心太(しいた)さん(3年)
「後輩たちが繰り返して引き継いでいってくれて、新居浜店が出店できたら、いつか自慢したいなと思います」

先輩たちからバトンを受け取った後輩たちも、活動の継続を誓います。

新居浜南高校 誘致委員会 三苫陽月(ひづき)さん(1年)
「すごいものを背負ったなとドキドキしてるんですけど、ラウンドワンを誘致したいという思いをちゃんと受け継いでいこうと思っています」

新居浜南高校 誘致委員会 山本昊雅(くうが)さん(2年)
「このまま現状維持という形ではなくて、先輩方のやって下さった活動を超えていく、そしてその果てには新居浜に本当にラウンドワンさんが来て下さることを願って、少しでも手助けができればうれしいと思います」

高校生の発案から始まったラウンドワン誘致大作戦。地元、新居浜を思う生徒たちの活動は、先輩から後輩へと確実に引き継がれています。

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