東エレク、今期営業益を上方修正 中国向け半導体装置需要が拡大

Miho Uranaka

[東京 9日 ロイター] - 東京エレクトロンは9日、2024年3月期の連結営業利益見通しを前年比28%減の4450億円へと上方修正した。従来予想は4010億円だった。中国向けの半導体製造装置需要の拡大が利益を押し上げる。

IBESがまとめたアナリスト19人のコンセンサス予想平均値4134億を上回った。

10ー12月期の売上高4636億円に占める中国比率は46.9%で過去最高となった。財務を担当する川本弘常務執行役員は、24年の需要も「(今と)同規模あるいはそれ以上になる」と話し、中国政府が半導体産業の育成に力を入れる中、低い自給率を高めるための積極投資が続くとみる。

中国経済の減速による需要の減少懸念について川本氏は「現時点ではそういうシナリオは強くは感じていない」という。仮に中国需要が減少しても、半導体の需要自体が成長することはほぼ間違いないとし、他の地域で投資が進むとの考えを示した。

24年の半導体ウエハー製造装置市場の見通しについては、過去最高だった22年と同等の1000億ドルと予想。中国向けの力強い投資の継続と年後半以降の最先端DRAM向けの投資の回復に期待している。スマートフォン向け最先端ロジック半導体やNAND型フラッシュメモリーの需要増など、今後の半導体の成長は、中国以外の顧客のけん引もかなり期待できるとしている。

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