仏エルメス、第4四半期は17.5%増収 再値上げへ

Mimosa Spencer

[パリ 9日 ロイター] - 仏高級ブランドのエルメスが9日発表した2023年第4・四半期の売上高は、為替変動の影響を除くベースで17.5%増の33億6000万ユーロ(36億2000万ドル)と、市場予想を上回った。

経済の逆風にもかかわらず、高級品消費が底堅いことが浮き彫りとなった。同社は今年再び値上げを実施する方針を示した。

ビジブル・アルファがまとめた市場予想は14%の増収だった。

アクセル・デュマ会長は今年、世界全体で8─9%の値上げを実施する方針を示した。

同社は昨年、生産コスト上昇を受けて、日米を除く各国で約7%の値上げを実施していた。米国は約3%の値上げ、日本では為替変動を受けて2桁の値上げを実施した。

同社はクラシックなデザインと慎重な生産・在庫管理で景気悪化時にライバルを上回る業績を残している。価格が1万ドルを超える同社の「バーキン」のようなハンドバックは富裕層にしか手が届かないが、こうした層は景気変動の影響を受けにくい傾向がある。

全地域で力強い成長を記録した。中国の「ダイナミック」な成長も示唆した。

同会長は「トレンドは中断されていない」とし、第4・四半期に中国を視察した際にショッピングモールの客足が減少していたが「当社の数字には反映されていない」と語った。

世界の従業員2万2000人全員に4000ユーロの賞与を支払う方針も示した。

シティのアナリストは「エルメスは今年、好位置につけている」と指摘。

エルメスの株価は4.2%高で寄り付き、最高値を更新した。LSEGのデータによると、予想株価収益率(予想PER)は47.7倍。同業のLVMHの24.2倍、ケリングの15.6倍を大幅に上回っている。

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