約2時間で売り切れる「チョコパン」途中で味が変わるサプライズ「レクラのミルクチョコフランス」

来たるバレンタインデーに向けてチョコレート商品が続々と登場し、盛り上がりを見せている。そんななか、開店後約2時間で売り切れると噂の「チョコパン」を見つけたので紹介したい。パンなら気軽に買えそうだ。

約2時間で売り切れるチョコパンとは

噂のチョコパンは、大阪・中之島の「リーガロイヤルホテル」で販売されている「レクラのミルクチョコフランス」だ。2023年11月に登場してから、瞬く間に人気の商品となった。

販売店舗の「グルメブティック メリッサ」で、20年もの間、変わらぬレシピを貫き通している一番の売れ筋商品が、月間3,200本以上を売り上げる「ミルクフランス」だ。練乳入りのミルククリームが中心にスーッと一本伸びる、王道のスティックパン。そんな看板商品を、同ホテルのパティシエ兼ショコラティエ、岡井基浩氏が特別にアレンジしたのが「レクラのミルクチョコフランス」である。

340円(税込み)と、ホテルクオリティでありながら手の届きやすい価格が嬉しい。「最近は、原材料も人件費も上がり、良いものはどんどん高くなる。そんな世の中ですが、ひとりでも多くの方の手に渡ってほしいという気持ちを込めた価格です」と岡井氏は話す。

噂のチョコパン、途中で味が変わる「職人芸」に驚き

袋からスティック状のパンを少し出したら、まずは何も考えず、気軽にかぶりついてみてほしい。パン生地はあっさりと軽く、口の中にカカオの香りがふんわり広がる。二層に重なった「チョコカスタードクリーム」と「練乳入りミルククリーム」は、どこか懐かしく、やさしい甘さだ。一番上のチョコプレートは簡単にパリッと割れるほど薄く、食感に程よいアクセントを加えている。さすが、ショコラティエが考えた、チョコレートが主役のパンである。

こうして二度、三度と口に運んでいると、突然脇役であるはずの「ミルククリーム」が主張してくる瞬間に出会うはずだ。20年間「メリッサ」で愛されている「ミルクフランス」のクリームと全く同じものである。まろやかで、こっくり濃い練乳の味が、一気に主役の座へと躍り出る。食べ慣れてきたころを狙って、再び味覚センサーが反応するよう、中心部分のクリーム量を増やしているそうだ。

後半部分にかけてクリームの量は落ち着いていくが、大トリに粒々としたアーモンドのキャラメリゼが登場。クランチーな食感で最後のひと口まで楽しませてくれる。食べ進めるごとに主役がコロコロと変化し、決して途中で飽きさせない。そう気づいた頃にはきっと、食べ終わっているだろう。

人気の秘訣は「細部へのこだわり」

「リーガロイヤルホテル」は、大阪の地で長きに渡り愛されている創業89年の老舗ホテル。世代を超えて通うリピーターも多くいる。そんな場所で20年来、ゲストからずっと支持されている「ミルクフランス」の練乳クリームをそのまま使うことに岡井氏はこだわった。

また、パン生地に使用するココアは、数種類のテストを経てベストなものを選択した。ココアに含まれる油分である「カカオバター」の含有量で、仕上がりの風合いが異なってくる。極力、油を取り除いたココアを使用し、ソフトな食感に仕上げた。

もはや「パンの形をしたケーキ」

岡井氏は、パン職人ではなく「パティシエ」かつ「ショコラティエ」であり、34年間ケーキを作り続けてきた。ケーキは食材を何層にも重ねることで味に変化が生まれ、最後までワクワクし続けられる。そんな特徴を、パンにも反映できないかと考えて生まれたのが「レクラのミルクチョコフランス」だ。

「ケーキは上から下に食べるので上下のバランスを考えますが、今回は手前から奥にかけてストーリーを込めました」と語る。岡井氏が手がけるパンの企画は、なんと今回が初めてだ。

「まさか自分がパンの取材を受けるなんて思っていませんでした。単に右から左に商品を流す作業ではなく、お客様の喜ぶ顔を思いながら、自分が本当に作りたいと思ったものを形にしています。お客様が喜んでいる様子をSNSで見たり、こうやって話を聞きにきてもらえて嬉しい。やっててよかった」と笑顔を見せる。

「レクラのミルクチョコフランス」はリーガロイヤルホテルの1階「グルメブティック メリッサ」にて本数限定で販売中。まるでケーキのようなチョコパンを、一度味わってみてほしい。

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