NBAプレーヤーと他競技プロ選手の収入を比較…八村塁はテニスのジョコビッチと同格

NBAは、世界で最も平均年俸が高いスポーツリーグとして知られている。『Spotrac』の調べによると、2023-24シーズンの平均年俸は約970万ドル(約14億5000万円)となっており、これはインディアン・プレミアリーグ(クリケット)や、MLB(野球)、イングリッシュ・プレミアリーグ(サッカー)のそれを遥かに上回る。

しかし、平均ではNBAプレーヤーがどれほどまでにすごいのか、具体的なイメージが沸きずらい。『HoopsHype』はそんなNBAファンのために、特定のプレーヤーと他競技のエリート選手の年俸を比較した。

日本が誇る八村塁はロサンゼルス・レイカーズから約1570万ドル(約23億5000万円)の年俸を受け取っているが、これはテニス界の頂点に君臨するノバク・ジョコビッチに匹敵するものだ。ジョコビッチは、グランドスラム(四大大会)で歴代最多となる24回の優勝を誇る、言わずと知れた名手。2023年11月には世界ランキング1位の在位期間が通算400週に到達しており、あのロジャー・フェデラーでさえ310週であったことを踏まえると、いかにジョコビッチの記録が超人的かがわかるだろう。

キャリア3年目を迎えたヒューストン・ロケッツのジェイレン・グリーンは、NBA平均をわずかに上回る約990万ドル(約14億8000万円)が今シーズンのサラリーとなるが、これは女子テニスで世界ランキング1位のイガ・シフィオンテクと同額だ。このポーランド人選手初のグランドスラム覇者は、グリーンとわずか1歳しか年齢に差がなく、22歳の若さにして四大大会で4度の優勝を達成。現在、フェデラーが開発に携わる「On」と契約しており、アグレッシブなプレースタイルで今後も数々の偉業を成し遂げていくことが期待されている。

フィラデルフィア・セブンティシクサーズへの移籍が発表されたばかりのバディ・ヒールドは、約1930万ドル(約28億8000万円)の契約を結んでおり、これはモータスポーツの頂点に君臨するF1のフェラリーでドライバーを任されるシャルル・ルクレールと大差ない。ルクレールは、1月にフェラーリとの契約延長が発表されたばかりの26歳。2022年には年間ランキングで2位となり、惜しくも悲願の初優勝を逃したが、赤い跳ね馬の首脳陣はルクレーにフェラーリの未来を託している。

高いバスケットIQを誇る仕事人のマルコム・ブログトン(ポートランド・トレイルブレイザーズ)も約2250万ドル(約33億6000万円)を受け取り、今シーズンの年俸はキャリアハイをマークした。この金額は、英メディア『fourfourtwo』が世界最高の右ウイングに選出したリヴァプールFCのモハメド・サラーに並ぶものだ。レブロン・ジェームズが共同オーナーに名を連ねるリバプール所属のサラーは、2017年にイングランドに活躍の場を移してから238試合に出場し、通算151得点をマーク。このゴール数はプレミアリーグにおけるアフリカ人の最多得点記録となっており、その人気は母国エジプトで大統領選挙に立候補していないにも関わらず、当選者に次ぐ2位の票数を獲得したという逸話が証明している。

オールスター選出経験のないプレーヤーでさえ、世界のトップアスリートに匹敵するサラリーが当たり前。これが、NBAが世界最高のスポーツリーグと言われる所以である。

文=Meiji

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