【京都記念/追い切り診断】ベラジオオペラを上回る「S」の最高評価 「絶好の仕上がりで勝ち負け必至」

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■ルージュエヴァイユ

【中間調整】2023年1月の愛知杯が12着、5月のメイSが10着とオープン入り後2戦は振るわなかったが、いずれも不利に祟られたもの。スムーズに走れた3走前のエプソムCで2着に入ると、休養を挟んで走った昨年秋の2戦がGII・府中牝馬Sでハナ差2着、GI・エリザベス女王杯で3/4馬身差の2着と一気に充実期を迎えた感がある。

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その後放牧に入り、年末の段階で重賞初勝利を狙う舞台としてエリ女杯と同じ京都芝2200mで行われる京都記念を次走とすることが決定。1月10日に美浦へ戻っている。放牧先でやや順調さを欠いた時期があったらしく、1月14日の坂路14-14以降バランスを整えることを主眼とした慎重な調整が進んでいたが、1週前のウッド併せ馬で不安一掃の豪快な動きを披露。首をリズミカルに動かし、体全体を大きく使った動きには目を惹くものがあった。

【最終追い切り】レース当週は坂路で併せ馬。輸送を考慮して終い重点の内容となった。とはいえ、モチベーションの高さを示すように馬自らが比較的速いラップを刻み、相手を楽にアオる。最後まで優勢の手応えを保って切れ、併入フィニッシュとした。

【見解】まったくの馬なりのまま、雪の影響で走りにくさのあった坂路でラスト1F12秒3は価値ががある。帰厩当初はソフト調整で入ったが、1週前からしっかり負荷を強め前走時と遜色ないか、それ以上とも思える好気配。次走は大阪杯か、宝塚記念の予定とのことで、自在性や非根幹距離への強さを考えれば後者が有力。間隔は十分にあるだけに、ここでお釣りを残す必要もないだろう。勝ち負け必至と言える絶好の仕上がり。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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