Michael Martina
[ワシントン 9日 ロイター] - 米電力大手デューク・エナジーは議会からの圧力を受けて、南部の海兵隊基地に設置した中国寧徳時代新能源科技(CATL)製の蓄電池を撤去すると明らかにした。民間向けプロジェクトでもCATLの製品を段階的に廃止する。
米政府高官は、送電網などのネットワークに接続した米国の重要なインフラを中国政府系ハッカーが標的にしていると警告している。
デューク・エナジーはロイターの質問に対し「海軍省などと協力してキャンプ・レジューン基地のCATL製蓄電システムを廃止し、国内または同盟国の製品に置き換える決定を下した」と回答した。
2027年までに自主的にCATLの蓄電システムから脱却する方針を示し、「強固な米サプライチェーン」を支持すると表明した。
中国製電池を避ける動きが広がれば、電力会社は供給面で深刻な問題に直面する恐れがある。
ウッド・マッケンジーの米エネルギー貯蔵担当シニア調査アナリスト、バネッサ・ウィッテ氏は「中国製電池を完全に排除すれば供給が著しく制限され、需要や脱炭素化の目標を達成するのに十分な量の蓄電システムや電気自動車(EV)を導入できなくなる」と述べた。
業界関係者の間では中国製電池に深刻な安全保障上の懸念はないとの声が多い。
しかしセキュリティーの専門家によると、電池の通信システムはハッキングに対して脆弱な可能性があり、ハッカーが電流を急増・遮断させ障害を引き起こす恐れがある。