高病原性鳥インフルエンザが確認された養鶏場 指導通り報告しなかったことが判明 1000羽超が死んだ翌日ようやく【香川】

今月(2月)6日に香川県三豊市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが確認されましたが、この養鶏業者は、指導の通り香川県に報告を行っていなかったことが明らかになりました。報告が遅れたことによる影響や要因について専門家が指摘したこととは。

(香川県畜産課 大谷徳寿課長)「4日の報告では、約1000羽死亡してたと。5日の報告ではもっと多かったようです。数えられてはないみたいなんですが」

今月6日の香川県畜産課の会見で明らかになったのは、鳥インフルエンザが発生した養鶏場から県への「報告の遅れ」でした。

7万羽のニワトリを育てているこの養鶏場では、普段は1日あたり10羽ほど死ぬといいます。

香川県では通常の2倍の数が死んだ場合、報告するよう指導していますが、

先月31日に100羽を超え、さらに今月2日には500羽を超えても報告が行われず、

4日に1000羽を超えた翌日にようやく報告が行われたということです。

香川大学の川崎准教授は、死んだニワトリの数が2倍を超えて、1週間近く経過してからの報告は問題だと話します。

(香川大学農学部 川崎淨教准教授)「かなりの死亡数だなと率直に思います。10キロ圏内のニワトリとか卵の移動制限とかあるのですが、

そういったところが遅れると感染したニワトリがそのまま移動するだけじゃなくて、土地に入ったトラックとかもろもろですね、

器具とか容器とかそういったものが人の手を介して広がったりとか拡大していってしまうということが起こりえる」

養鶏場からのコメントは出ていませんが、報告の遅れについて川崎准教授は予期せぬ事態に遭遇した際に正常範囲と認識する「正常性バイアス」がかかった可能性を指摘します。

(香川大学農学部 川崎淨教准教授)「これはインフルエンザじゃないだろう、そういう病気が入らないために対策しているんだからならないはずという思いがあったのかなと」

感染を広げないため、報告のあり方を再確認する必要がありそうです。

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