王者ジョコビッチが5年ぶりに米インディアンウェルズ大会出場へ!歴代単独トップとなる6度目の優勝を目指す<SMASH>

男子テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、5年ぶりに「BNPパリバ・オープン」(3月6日~17日/アメリカ・インディアンウェルズ/ATPマスターズ1000)にエントリーした。

ジョコビッチにとっては相性のいい大会だ。2008年、年初の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)で初めて四大大会優勝を果たし、2カ月後の同大会も初制覇。11年に2度目の戴冠を遂げると、14年からは3連覇を達成した。計5回の優勝回数は17年にロジャー・フェデラー氏(スイス/元1位)に並ばれるまで単独最多記録だった。

だが、19年の大会では3回戦でフィリップ・コールシュライバー(ドイツ/当時39位)に敗退。翌年は新型コロナウイルスの影響で大会が中止となり、21年からは市民権を持たない入国者にワクチン接種が義務付けられていたため欠場していた。

砂漠に囲まれた街に王者が姿を見せなかった21年には、キャメロン・ノーリー(イギリス/世界ランク19位)が、22年にはテイラー・フリッツ(アメリカ/同9位)が初めてのマスターズ優勝を経験し、昨年はカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)が頂点に立っていた。
5年ぶりの出場で、王者は再び単独トップとなる6回目の優勝を目指すことになる。気になるのは「全豪オープン」でのパフォーマンスだろうか。

過去10回優勝した最も得意なサーフェスで、ジョコビッチは準決勝でヤニック・シナー(イタリア/同4位)と対戦。第1セットを1-6で落とすと、第2セットも2-6。第3セットこそ7-6(6)と粘ったが、第4セットは3-6と完敗した。エラーが多く、サービスキープに苦労した戦いぶりには、自身も「最悪の試合のひとつ」と振り返ったほどだ。

絶対的な優勝候補に挙げられていた反動か、敗戦後は36歳という年齢の限界を指摘する声も上がった。

しかし、メルボルンで33試合ぶりに付けた黒星をもって衰えを主張するのは、あまりに短絡的だろう。近年のテニス界ではこうした限界説がビッグ4によって何度もひっくり返されてきたはずだ。ジョコビッチ自身も、昨年の「全米オープン」で世代交代の兆しを否定したばかりだ。悔しい敗戦を経てインディアンウェルズに戻ってくるジョコビッチは、王者らしい強烈なリバウンドメンタリティを見せてくれるのでないか。

なお、同大会が発表したエントリーリストによると、全豪を欠場したラファエル・ナダル(スペイン/同647位)が参戦する他、18年大会でジョコビッチを倒した日本のダニエル太郎(同62位)もストレートインとなっている。

構成●スマッシュ編集部

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