サッカー界のスーパースター、リオネル・メッシが香港での試合に出場しなかったことが物議を醸している問題で、中国国営の中央テレビ（CCTV）の記者が「人々が不満なのは試合に出場しなかったからなのか？」との動画を投稿した。
メッシが所属する米インテル・マイアミは4日、香港で香港選抜と試合を行ったが、メッシはコンディション不良のため最後まで出場せず。怒ったファンからは大ブーイングや返金を求める大合唱が起こり、香港行政長官も失望を表明するなど物議を醸した。また、中国本土でもメッシに対する不満や怒りが広がった。
中国のSNS・微博（ウェイボー）では連日、メッシに関するワードがトレンド上位を占める状態で「メッシバッシング」が過熱している。そうした中、CCTVの苑慶攀（ユエン・チンパン）記者がこの問題に言及した。
苑氏は、今回の問題は中国のみならず米CNNが報じるなど世界で話題になっていると説明した上で、「（中国の）みんなが不満なのは単にメッシが出場しなかったからなのか？それは絶対に違う」と指摘。「メッシが実際にコンディションが悪くて欠場し、すぐにファンに説明をしていれば、みんなは間違いなく理解を示していたはずだ」とした。
その上で、「これに先立ち、クリスティアーノ・ロナウドがコンディションの問題で深センでの試合に出場しなかった時、彼は自ら説明し謝罪した。ファンに対してもチケットの払い戻しが行われた。残念ではあったがほとんどの人が理解を示した」と説明。一方、メッシがファンを怒らせたのは「一連の言動にファンへの不誠実さが現れていたため」だとした。
苑氏は、「メッシには契約精神とプロとしての姿勢が欠けていた」とし、「香港での試合は各方面が力を投入して盛り上げていた。ところがふたを開けてみれば、もともと45分間出場するという契約だったにもかかわらず欠場した。これはファンにとってはすでに十分ショックだったが、それだけでなく（欠場について）一切説明しなかった」と指摘。「物議を醸した後にようやく説明したが、謝罪の意思はなく、説明にも食い違いがあった。これはごまかそうとするものであり、ファンに対する不誠実さの現れだ」と指弾した。
そして、「これまでイメージが良く、多くの人が応援してきたメッシがこれほど不誠実な人間で、さらにはプロとしての姿勢や契約精神すらないとは。これでは大バッシングを浴びるのも理解に難くない」とし、「現在もまだ物議を醸しているが、メッシおよび関係各所が、合理的でファンが納得いく回答を出すことを期待している」と述べた。
この主張に中国のネットユーザーからは「確かにその通り」「客観的だ」「試合に出るかどうかよりも、メッシの態度の方が重要」「（ファンへの）最低限の尊重すらなかった」「どこの国の人間だろうと、どんなスターであろうと、契約精神はあってしかるべき」「その通り。世界的なスター選手だろうが関係ない」「職業道徳、契約精神、基本的尊重（の問題）」「これ以上の説明は不要。周囲のメッシファンはみんな失望したと言っている。彼を許さないだろう」などのコメントが寄せられている。（翻訳・編集/北田）
