災害時の避難所にもなる県立高校の体育館にエアコンを 愛知県が新年度予算案に45億円を計上

愛知県は、県立高校の体育館にエアコンを設置しようと、2月議会で審議する新年度当初予算案に45億円を盛り込みました。

名古屋市東区の県立旭丘高校。

授業中、教室にはエアコンの暖房がきいています。愛知県内145すべての県立高校では教室に空調が設置され、2021年度からはその光熱費なども公費化。今の時期、暖かい環境で勉強がはかどっているようです。

ところが、教室以外の場所では。

(荒川栞記者)
「体育館の中見てみると、エアコンがありません」

体育館には新型コロナ対策の送風機と換気扇がついているだけで、エアコンはありません。

(生徒)
「今寒いです。運動していたら温かくなる」

換気のためにドアは開けっぱなし。室内の温度は夏も冬も、外の気温とあまり変わらないといいます。

(旭丘高校保健体育科 宮本徹教諭)
「特に夏場の7月・8月・9月の授業はかなり暑い日多くて、体調が悪くなる生徒や教員もいた」

実はこの状況は愛知県内の県立高校はどこも同じで、エアコンが付いている体育館はありませんでした。

こうした中で発表された、愛知県の新年度当初予算案。

学校の体育館は避難所になることも…

(愛知県 大村秀章知事)
「空高く舞い上がる龍のごとく、勢い盛んに愛知を成長・発展させ大きく躍進させていく『龍躍愛知』予算といたします」

不登校経験者や外国にルーツを持つ人たちに対応する定時制・通信制高校や、夜間中学の設置に約1億1500万円。2026年のアジア大会に向けた宿泊施設のバリアフリー化に6035万円などが盛り込まれる中、高校の体育館や武道場へのエアコン設置費用も計上されたのです。

(男子バスケットボール部の生徒)
「体育館は暑いけど教室行くと『涼しくていいな』と思う」

(男子バレー部の生徒)
「私立の強豪校とかは(エアコンが)ついているので、部活として強くなる上でいい環境になるのはうれしい」

そして、先生からはこんな声も。

(旭丘高校保健体育科 宮本徹教諭)
「能登半島地震を見ても、学校が避難所になることが多い。この学校も避難所に指定されているので、(万が一の場合には)避難してきた人にも快適に過ごしてもらえるのでは」

愛知県は熱中症対策として、全ての県立高校で体育館や武道場にエアコンを取り付ける方針で、費用は総額で約180億円。

新年度はまず45億円を計上して、145校のうち36校・74棟を整備。2027年度まで4年間かけて順次整備を進める計画です。

この予算案は、2月19日からの県議会で審議されます。

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