女川原発の避難計画見直し 宮城県は市民団体の要望に応じず 周辺自治体「今のところ見直す必要なし」

能登半島地震を受け、女川原発の避難計画などを抜本的に見直すよう求めた市民団体に対し、宮城県は国に検証を要望しているなどとして応じませんでした。市民団体は、県民を守る本気度が無いと県の対応を批判しました。

1月に宮城県に提出した要望書の中で女川原発の再稼働に反対する市民団体は、女川原発の再稼働に向けた県の地元同意を取り消すことや、能登半島地震を踏まえた避難計画の抜本的な見直しを求めていました。

これに対して県は、女川原発は原子力規制委員会の新規制基準に適合しているとして地元同意の取り消しには応じない姿勢を示したほか、避難計画の見直しについても、具体的かつ合理的であり能登半島地震を受けた検証も国に求めているなどとして要望に応じませんでした。

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女川原発2号機の再稼働は5月頃から数カ月延期されましたが、市民団体は東北電力に対しても再稼働の中止や安全対策の見直しを求める要望書を出しました。

能登半島地震を受けてkhbが女川原発周辺の7つの自治体に聞き取りをしたところ、全ての自治体が「今のところ避難計画を見直す必要はない」と回答しました。

能登半島地震では、石川県の半島部で土砂崩れなどにより道路が寸断され通行が困難になりました。

こうした事態を受けて、khbでは女川原発の立地自治体と周辺自治体計7つの市と町に原発で事故が起きた際の避難計画などについて聞き取りを行いました。

能登半島地震を受けて女川原発で事故が発生した際の避難計画を見直す必要があると考えるか聞いたところ、全ての市と町が「ない」「今のところない」と答えました。

事故の際に被ばくを防ぐために行われる屋内退避の見直しの必要についても、全ての市と町が「ない」「今のところない」と回答しました。

一方で、地震などで女川原発に事故が発生した際に道路が寸断され住民が避難できなくなる心配があるかという質問については、1つの自治体を除き「ある」あるいは「一定程度はある」などと答えました。

具体的には「孤立する地区は出てくると思っている。その際、ヘリコプターで避難することになるが自衛隊と深く話し合う準備はできていない」「道路をどんなに整備しても大きな地震があれば懸念はある」などとしています。

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