“天王山”控えるレヴァークーゼンとバイエルン…かつて両クラブでプレーした11人の名選手を紹介!

今週末のブンデスリーガは世紀の大一番が控えている。現地時間10日、首位レヴァークーゼンの本拠地『バイ・アレーナ』にて2位バイエルンとの首位攻防戦が開催されるのだ。

今シーズンここまでの主役は紛れもなくレヴァークーゼン。就任2年目のシャビ・アロンソ監督が率いるチームは、開幕からここまで公式戦30試合を消化し未だに無敗をキープ。ブンデスリーガでは16勝4分け0敗で首位を快走している。クラブ史上初のマイスターシャーレ獲得に向けて敵なし…と言いたいところだが、彼らの前には“絶対王者”が立ちはだかる。

ブンデスリーガ11連覇中のバイエルンは、昨年夏に加入したイングランド代表FWハリー・ケインがゴールを量産。フランクフルトに1-5の大敗を喫するなど既に2敗しているが、それでもレヴァークーゼンとの勝ち点差は「2」となっており、今週末の直接対決に勝利すれば首位に浮上することができる。

今シーズン2度目の直接対決にして、優勝争いの行方を占う大一番。大注目の一戦を直前に控え、ブンデスリーガ公式サイトがレヴァークーゼンとバイエルンの双方に所属経験のある選手をベストイレブン形式で特集しているので、今回はそれを見てみよう。果たしてどのような選手たちがなを連ねているのだろうか。

[写真]=Getty Images

■GK:ハンス・イェルク・ブット

PKキッカーとしても知られているブット

レヴァークーゼン:2001〜2007 バイエルン:2008〜2012

ゴールを守るのは元ドイツ代表GKハンス・イェルク・ブットだ。レヴァークーゼンで公式戦250試合以上に出場したブットは、同クラブで定位置を失うと2007年に契約を解除し33歳にしてベンフィカに移籍。しかし、ポルトガルでも控えに甘んじると、翌年にバイエルンに加入した。若手GKミヒャエル・レンジングの控えになるはずだったが、同選手の怪我などもありシーズン途中から定位置を確保。結局、現役を退く38歳まで4年間もバイエルンに在籍し、リーグ戦通算63試合に出場した。ブットはPKキッカーとしても有名で、ブンデスリーガ通算26ゴールはGKの最多記録となっている。ちなみにゴールは全てPKによるものだ。

■右SB:ジョルジーニョ

Jリーグでのプレー経験もあるジョルジーニョ

レヴァークーゼン:1989〜1992 バイエルン:1992〜1995

右サイドバック(SB)は日本にも馴染みのある元ブラジル代表DFジョルジーニョだ。FIFAワールドカップアメリカ1994制覇に貢献したジョルジーニョは、鹿島アントラーズに加入する以前にドイツでプレーしていた。母国ブラジルで台頭すると、24歳の時にレヴァークーゼンに加入し、主にウイングバック(WB)として活躍。1992年にバイエルンに引き抜かれると、2年目にはリーグ優勝に貢献した。しかし、外国人枠の問題で出場機会を減らしクラブを去ることに。バイエルンがヨーロッパのクラブへの放出を渋ったため、オファーのあった日本へ来ることになった。

■左SB:ゼ・ロベルト

ブラジル代表で活躍したゼ・ロベルトもレヴァークーゼンとバイエルン双方でプレー

レヴァークーゼン:1998〜2002 バイエルン:2002〜2006、2007〜2009

こちらも元ブラジル代表の名プレーヤーだ。左WBやボランチでプレーすることが多かったゼ・ロベルトは、1998年にレアル・マドリードからレヴァークーゼンに加入。同クラブで公式戦通算150試合に出場すると、2002年にバイエルンに移籍し4度のリーグ制覇を味わうことに。ブンデスリーガで3度も『キッカー』誌のベストイレブンに選出された実力者は、セレソンでは国際Aマッチ通算84試合に出場した。

■CB:ロベルト・コヴァチ

兄と共に両クラブでプレーしたロベルト・コヴァチ

レヴァークーゼン:1996〜2001 バイエルン:2001〜2005

兄弟そろって両クラブでプレー経験があるのは元クロアチア代表のコヴァチ兄弟だ。西ドイツ生まれのDFロベルト・コヴァチは、レヴァークーゼンとバイエルン双方で最終ラインの中央を任され、バイエルン時代には2度のリーグ制覇に貢献した。兄のMFニコ・コヴァチも両クラブでプレーし、引退後は監督として大活躍。クロアチア代表のほか、フランクフルト、バイエルン、モナコなどの指揮官を歴任し、現在はヴォルフスブルクを率いている。その間、弟ロベルトはずっと兄のアシスタントを務めている。

■CB:ルシオ

元ブラジル代表のルシオは両クラブで守備の中心として活躍

レヴァークーゼン:2001〜2004 バイエルン:2004〜2009

強靭な肉体でゴールに鍵をかけた元ブラジル代表DFルシオも両クラブで活躍した。2001-02シーズンには鉄壁の守備でレヴァークーゼンの躍進に貢献。チャンピオンズリーグ(CL)では決勝まで勝ち上がった。ビッグイヤーをかけたレアル・マドリード戦では、見事なヘディングシュートで同点弾をマークしたが、元フランス代表MFジネディーヌ・ジダンの伝説的ボレーシュートの前に涙を飲んだ。同シーズンのレヴァークーゼンはリーグ戦で2位、DFBポカールでも準優勝となり、3つの栄冠を逃して「ネヴァークーゼン」と揶揄された。

なお、2004年に加入したバイエルンでは公式戦218試合に出場。その後はインテルやサンパウロ、パルメイラスなどでプレーした。

■MF:エムレ・ジャン

現在はドルトムントで活躍しているエムレ・ジャン

バイエルン:2009〜2013 レヴァークーゼン:2013〜2014

バイエルンでプロキャリアをスタートさせたドイツ代表MFエムレ・ジャンは、トップチームで主力に定着することができず、出場機会を求めて19歳にしてレヴァークーゼンに移籍した。すると1年目から中盤の底の定位置を確保して公式戦通算39試合に出場。翌年にはリヴァプールに引き抜かれることとなった。その後はユヴェントスを経て、現在はドルトムントで活躍している。

■MF:アルトゥーロ・ビダル

闘志溢れるプレーで両クラブを牽引したビダル

レヴァークーゼン:2007〜2011 バイエルン:2015〜2018

無尽蔵のスタミナで戦い続けるチリ代表MFアルトゥーロ・ビダルも両クラブを知る選手だ。母国の名門コロコロで活躍していた同選手は、20歳の時にレヴァークーゼンでヨーロッパデビューを果たす。2007年のU-20ワールドカップでチリを3位に導いた才能に確信を持ち、500万ユーロ(約8億円)で獲得したのだ。するとビダルはすぐさま結果を残し、4シーズンで公式戦通算144試合に出場し21ゴールをマーク。ビッグクラブの注目の的となると、バイエルンからの関心も報じられた中でユヴェントスへの移籍を決断。それでも、4年後の2015年に移籍金3700万ユーロ(約60億円)でバイエルンへ加入し、合計3度のリーグ優勝に貢献した。

■MF:ミヒャエル・バラック

国際舞台での経験も豊富な元ドイツ代表MFバラック

レヴァークーゼン:1999〜2002、2010〜2012 バイエルン:2002〜2006

合計3度もドイツ年間最優秀選手に選出されたミヒャエル・バラックは両チームの中心として活躍した。中盤ながら抜群の得点力を発揮し、レヴァークーゼン時代の2001-02シーズンには公式戦通算23ゴールをマークするなど大暴れ。しかし、前述の通りチームは3つの大会で惜しくも優勝を逃すと、バラック自身はFIFAワールドカップ日韓2022でドイツ代表の決勝進出に貢献するも、ブラジルとの決勝戦は出場停止に。チームも敗れて1シーズン中に4つの失意を味わった…。その後は20バイエルンに移籍して3度の国内2冠に貢献するなど大活躍。現役生活の晩年には古巣レヴァークーゼンに復帰した。

■MF:トニ・クロース

現在はレアル・マドリードの中心選手として活躍しているクロース

バイエルン:2006〜2014 レヴァークーゼン:2009〜2010

FIFAワールドカップブラジル2014優勝の立役者となった元ドイツ代表MFトニ・クロースは、バイエルンでプロキャリアをスタートさせると、2009年1月にレヴァークーゼンへレンタル移籍。約1年半に及んだ“武者修行”期間中にブンデスリーガで43試合に出場した。その後バイエルンへ復帰すると、2012-13シーズンのCL制覇など数々の栄光を手にした。2014年にはレアル・マドリードへ移籍し、現在に至るまで活躍を続けている。

■FW:ランドン・ドノヴァン

出場機会こそ限られたものの両クラブでプレーしたドノヴァン

レヴァークーゼン:1999〜2005 バイエルン:2009

アメリカ代表で最多ゴール記録を持つランドン・ドノヴァンも、出場機会こそ少なかったが2つのクラブに所属した経歴を持つ。母国で様々な競技のプロ選手を輩出しているIMGアカデミーで育った同選手は、17歳でレヴァークーゼンとプロ契約を締結。主にBチームでプレーすることが多く、ブンデスリーガでは通算7試合の出場に留まった。その後、母国の強豪ロサンゼルス・ギャラクシーでゴールを量産。メジャーリーグ・サッカー(MLS)のシーズンオフ期間中には欧州のクラブでもプレーし、2009年1から短期ローン契約で加入したバイエルンではリーグ戦6試合に出場した。

■FW:パウロ・セルジオ

レヴァークーゼンでは得点を量産したパウロ・セルジオ

レヴァークーゼン:1993〜1997 バイエルン:1999〜2002

元ブラジル代表FWパウロ・セルジオは、1993年に加入したレヴァークーゼンで1年目からリーグ戦17ゴールの活躍を見せた。4年間のプレーを経てローマに引き抜かれたが、わずか2年でドイツへ復帰しバイエルンに加入。2000-01シーズンのCLでは決勝進出を経験した。PK戦までもつれたバレンシアとの決勝戦では、延長戦後半に投入されるとPK戦の1番手に。しかし、シュートは無情にもクロスバーの上に外れる。それでも、守護神オリヴァー・カーンが3本もPKを止め、バイエルンは四半世紀ぶりに欧州の頂点に輝いた。

(記事/Footmedia)

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