「重粒子線」の理解促進へセミナー

山形大学医学部附属病院は「重粒子線」と呼ばれる放射線の一種を用いた、新たながん治療の設備を導入しています。設備について知ってもらい施設の利用促進につなげようと秋田市でがん治療をテーマにしたセミナーを開きました。

山形大学医学部が秋田市で開いたセミナーには280人の定員に対し400人以上の応募がありました。重粒子線治療への関心は全国で高まっているといいます。

山形大学医学部附属病院土谷順彦院長「従来の放射線と比べてもですね非常にまず強力ながん細胞に対する効果を持っている。塗り絵を塗りつぶすような感じでとよく言われますけども非常にこういう精密な照射ができるというのが特徴であります。」

山形大学医学部によりますと2021年に導入した「重粒子線」を用いたがん治療の設備は、従来の放射線治療と比べて人体への負担が少なく、治療が難しかった種類のがんにも効果があるとされています。

セミナーでは秋田大学医学部付属病院の医師などによるパネルディスカッションも行われました。

秋田大学医学部附属病院呼吸器外科の今井一博医師は「臓器のダメージが軽いというのが私の理解でありましてま今後ですけれども、重粒子線治療は手術に迫る局所コントロールが可能です。ですから、手術が及ばないような多発肺がんの治療成績を向上させるような新たな治療、手術との併用でさらに肺がんの根治が期待できるのではないかというふうに思っております」と述べました。

山形大学医学部は今後もセミナーなどを通じて、秋田県内での理解促進を図っていきたい考えです。

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