請求書を偽造し約93万円を横領した町職員の懲戒処分事案 町が町議会全員協議会で調査結果を説明

2023年12月、鳥取県琴浦町の職員が約100万円を横領したとして懲戒処分を受けた事案について、町は2月9日に開かれた町議会全員協議会で、調査結果を説明しました。

それによりますと、元職員が不適正に支出した金額は、2つの事業分の合計で93万4349円でした。

元職員はこの金額に、不適切な事務に起因する賠償金等を加算した、201万3002円をすでに返還したということです。

当時、元職員は、2つの事業の事務局だった町の商工観光課の主事として関わっていて、上司に無断で通帳を持ち出し、口座からATMで現金を払い出し着服しました。

2つの事業のうち、「令和2~4年度・自然公園美化推進事業」では、着服した金額(83万2299円)に合わせて、架空の作業記録や請求書等を偽造し、実際に事業を行い適正に経費を支払ったように装い、国・県・町へ虚偽の報告書を提出して補助金を支払わせていました。

また、「令和3・4年度・日韓友好資料館企画運営委員会事業」では、10万2050円を着服。実際に事業を実施していないにも関わらず、請求書等を偽造、令和3・4年度に事業を実施したように装い、県へ虚偽の報告書を提出して負担金を支払わせました。

元職員はさらに1件の不正な事務処理を行っていて、「令和4年度・中国自然歩道管理事業」において、作業人員・日付が実態と異なる報告書を県へ提出。その後、1月9日に訂正した報告書を提出しています。

元職員は1月29日に、2つの事業を行う任意団体の口座へ、全額を返還済みで、今後は2月22日に、任意団体から県及び町へ補助金の返還等を行う予定です。

また、国への契約金額の返還についても、返還命令が届き次第行われます。

町は、被害届の提出について、弁護士や警察と相談中としています。

町では再発防止策として、全職員に対しコンプライアンス研修を行うとともに、要綱を制定して町が管理するすべての通帳会計事業について適切な管理を徹底するとしています。

琴浦町の福本まり子町長は、「町民の皆様、関係者の皆様、鳥取県を始めとした関係機関に多大なご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。引き続き再発防止の徹底に努め、法令遵守、公務員倫理及び服務規律確保に取り組み、琴浦町政に対しての皆様の信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。

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