ダイハツ社長、開発長期化で「商品計画調整」 新経営体制を来週発表

Maki Shiraki

[東京 9日 ロイター] - 認証取得不正問題を起こしたダイハツ工業の奥平総一郎社長は9日、問題の真因となった短期間での開発を是正するため、標準的な開発日程を従来の1.4倍に伸ばすなどの再発防止策を国土交通省へ提出した。奥平社長は提出後、記者団に対し、開発期間の長期化を踏まえて商品投入計画を見直すほか、新経営体制も来週発表すると明らかにした。

開発期間について、奥平社長は「正しい仕事ができるような開発日程に一度きちんと整理し、開発日程と認証日程を分離する」などと説明。「今まで通りの計画をそのまま実行するのは困難」になることから、開発・生産を受託しているトヨタ自動車などの車種も含めた投入計画を「これから調整させていただく」と話した。

再発防止策としては開発日程見直しのほか、法規・認証関連業務に十分な人員を確保することも打ち出した。法規認証室の試験グループ人員を6月をめどに昨年1月比で7倍に増やす。安全性能を評価する人員は1月に同1.5倍、安全性能を開発する知見者は同2倍にそれぞれ増やした。奥平社長は「若手社員、未経験者も含めて人数を増やした」と述べた。

トヨタとの「トップ同士の継続的な本音のコミュニケーション」も進めるという。これまでもトヨタとのコミュニケーションは実施してきたが、奥平社長は「開発プロジェクト、業務全体のバランス、責任をお互いにしっかりと議論する」と語り、「仕事の量とその仕事に対する構えができているかどうかの『見える化』が大事」であり、「『見える化』を機能ごとにきちんと確認した上でコミュニケーションしていくことが大事だ」と述べた。

また、現場と上司が「気軽にコミュニケーションや質問ができるように、質問してもきちんと答えが出せるような相互のコミュニケーションが本当に大切だ。継続的な心理的安全性が確保された職場をつくりたい」と語った。

© ロイター