今季のレプリカユニフォームの製造遅延が問題となっているV・ファーレン長崎。
このチームのユニフォーム背中には2020年からクルーズ船企業「MSC」のロゴマークが付いている。海外サッカーでも最近よく見かけるロゴだが、ユニフォームとなるとそれほど多くない。
ここでは、そんなMSCロゴをユニフォームに付けた欧州の4チームをご紹介しよう。
エヴィアン
エヴィアン・トノン・ガイヤール 2014-15 Kappa ホーム ユニフォーム
ロゴ表記:MSC Croisières
掲出期間:2014年-2016年
サッカー界のユニフォームにMSCのロゴが目立つようになったのは2010年代も終わりの頃だったが、それよりも比較的早い時期にこのロゴを付けたのがエヴィアン・トノン・ガイヤール。フランスの食品企業DANONEの後釜として胸に収まっていた。
スポンサー契約は3シーズンの予定だったが、2シーズン目を終えた2016年にクラブは解散しピンクのチームは消滅。よって契約は2年で終了となった。
なお、現在は名前とチームカラーを変えた新・エヴィアンとして活動を続けている。
ミラン
ミラン 2023-24 Puma ホーム ユニフォーム
ロゴ表記:MSC
掲出期間:2023年-現在
イタリアの名門ミランは 2023年7月にMSCクルーズとの袖スポンサー契約締結を発表。男女トップチームとプリマヴェーラ(ユースチーム)の左袖にロゴを付けている。
契約金については非公表だが、イタリアの一部メディアによれば前・袖スポンサーBitMEXと同程度の500万ユーロ(約8億6百万円)~600万ユーロ(約9億6千6百万円)と見られている。
ジワジワとセリエAで勢力拡大中のMSCクルーズ。ミランとのスポンサー契約も、金額が一ケタ違う胸はかなりハードルが高そうだが、袖から腰(背中下)へ昇格する日は来るかもしれない。
ナポリ
ナポリ 2013-14 Macron ホーム ユニフォーム
ナポリ 2023-24 EA7 ホーム ユニフォーム
ロゴ表記:MSC
掲出期間:2011年-14年、2019年-現在
イタリアで早くからMSCのロゴを付けていたチームの一つが南部の名門ナポリ。サッカー界で最も有名なMSCスポンサーのチームそしてユニフォームと言えるだろう。
2011年、それまでミネラルウォーターブランドLeteの独占だった胸部に2つめの胸スポンサーとしてこのロゴが登場し、2社が共存するデュアルスポンサーと話題になった。
その後、一度は他の企業(Pasta Garofalo)と交代するも2019年に再び登場。そして2023-24シーズンはLeteの撤退もあり、ついにMSCの独占状態となる。
ソレント
ソレント・カルチョ 2023-24 Zeus ホーム ユニフォーム
ロゴ表記:MSC
掲出期間:不明-現在
ソレントはもしかしたらサッカー界で最も古くからMSCのロゴを付けているチームかもしれない。
1945年創設と比較的歴史は浅く、セリエCやセリエDといった下部が主戦場。1971-72シーズンに1年間だけ在籍したセリエBが過去最高というプロヴィンチャで、ホームタウンが属するカンパニア州ソレントはナポリ湾に面した港湾都市だ。
実はこのクラブの付ける「MSC」はここまで紹介した3チームのMSCクルーズとは異なり、同社の親会社である「MSC(Mediterranean Shipping Company(地中海海運会社)」。世界有数の海運企業だ。
海上物流では世界最大規模を誇るコンテナ船企業で、ロゴマークがほかのチームとは違うのもそのためだ。同社が胸スポンサーに就任した正確なシーズンは不明なのだが、少なくとも2009年からこのロゴを付け続けている。
3部や4部が主戦場の地方クラブがビッグクラブの付けるMSCクルーズの親会社と契約とは、なんとも興味深い構図である。