カリスマ死去、世界も悼む 音楽史の足跡たたえ

2002年1月、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートで指揮する小澤征爾さん(AP=共同)

 「カリスマ的巨匠」の死を世界も悼んだ。国際的に活躍した指揮者小澤征爾さんの死去が伝えられた9日、各国メディアやゆかりのある管弦楽団などは「クラシック音楽の魔術師」「かけがえのない友人」と表現し、音楽史に残した足跡をたたえた。

 1959年にフランスのブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、世界的指揮者への道を開いた。フランス紙ルモンドは、古典的な指揮者の衣装ではなく「タートルネック姿の小澤氏は長髪に真珠のネックレスを着けたポップスターのようだった」と指摘した。

 世界的名門ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は声明で「現代における偉大な指揮者の一人」と追悼した。小澤さんは2002年、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを日本人として初めて指揮。ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めた。

 ドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団はX(旧ツイッター)に「楽団の名誉団員でもある小澤征爾に心からの哀悼の意を表します」と日本語で投稿した。

 小澤さんは旧満州奉天市(現中国瀋陽市)生まれ。中国との縁が深かった。

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