これやりがち…倹約家FPが教える「実はコスパが悪い」節約術3選

節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんの「食費節約レッスン」で、貯め上手・遣い上手になりましょう。

節約術はたくさんありますが、その中でもコスパが悪い節約術はいくつもあります。今回は節約術には間違いないけれど、やり方によってはムダが出てかえってコスパが悪い節約術を3つご紹介します。

まとめ買い

1週間分の食材をまとめ買いしてやりくりする方法は、節約術の定番です。しかし1週間分の食材をまとめ買いして買い物をすることは、1週間分の献立を考えて、必要な材料をまとめて買い、下ごしらえや作り置きをします。しかし、共働き世帯が多い家庭の場合、急な外食などで食材がムダになってしまう可能性があります。

そもそも、1週間分の献立を考えて下ごしらえや作り置きおかずを作ることは、レパートリーが多くアレンジなどもできる上級者向けの節約術と言っても過言ではありません。料理初心者さんや料理はちょっと苦手といった方が1週間分のまとめ買いをするのは、コスパが悪い節約術と言えるでしょう。

既に1週間分の食材をまとめ買いをして、やりくりに成功している方はそのままでもちろん大丈夫ですが、挫折や失敗してしまった方は、在庫を把握しながらの3日に1度程度のプチまとめ買いにすると、食材をムダにしにくくなるため、おすすめです。

クーポン利用

割引クーポンは使い方によっては節約になりますが、それは必要なものを買うときにのみ言えることで、クーポンがあるからと不要なものを買ってはムダ遣いです。また、飲食店などでは来店や再来を促すためにクーポンを配布することがあります。これらのほとんどが期限付きのため、期限内に行かないと損をしてしまうという気持ちになりがちです。

もしそのクーポンの内容がドリンク1杯無料なら、行くことを考え直した方がよさそうです。そもそもドリンク1杯の原価を考えれば数十円程度です。それで家族4人の飲食代1万円弱の売り上げが立つなら、海老で鯛を釣るとは正にこのことで、店側としたら安いものではないでしょうか。

はしご買い

食材等を買うために何件ものスーパーなどをはしごして買い物することを「はしご買い」と言いますが、これも場合によってはコスパの悪い節約になります。はしご買いをするには、時間と労力、場合によってはガソリン代がかかります。

ここで誤解をして欲しくないのは、1度の外出でいつかの用事を終わらせるために、お店をはしごすることはムダではなく効率のよい行動ですので、こちらはOKです。

コスパが悪い例として、A店でまとめ買いをしつつも、遠いB店ではキャベツが特売だからキャベツを買いに、さらに足を延ばしてC店では鶏胸肉が特売だから鶏胸肉を買いに行くようなことです。3店の距離が徒歩圏内で、それだけ買って帰ればお得な買い物かもしれません。しかし、A店からB店へは車で20分かかり、B店からC店へはさらに車で15分かかる場合は、いくら食材費は安くなったとしても時間とガソリン代のムダになってしまうでしょう。

また、他店舗を回ることで、さっき買ったけどこっちの方が安かった…悔しい…。半額シール貼ってある!など、必要以上に買い物をしてしまいがちです。これでは結局ムダになってしまうことでしょう。はじめからA店だけで買い物を済ませていれば、余計なものを買わずに済んだものの、余計な出費もプラスされることになれば食費節約どころではありません。節約を意識すればするほどムダな行動をしてしまう典型例ですので、割り切ってネットスーパーを使うなどの対策をした方がいいかも知れません。

日ごろの行動の中にも実はコスパが悪い節約を一生懸命にやっていませんか。もう一度立ち止まって、本当に節約になっているのかを考えて、ご自身のライフスタイルに合った節約術を取り入れてみてはいかがでしょうか。

丸山晴美さん

旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなど様々なメディアで活動中。 公式ホームページ「らくらく節約生活」はこちら>>

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