【ボストン共同】米ボストン交響楽団は9日までに、2002年まで音楽監督を29年間務めた小澤征爾さんの死去を伝え「深い悲しみ」を表明する追悼文をウェブサイトに掲載した。「伝説的な指揮者というだけでなく、次世代の音楽家たちの情熱的な指導者でもあった」と悼んだ。
楽団は9日のコンサートの冒頭、小澤さんが故人に別れを告げる際によく選曲したバッハの「G線上のアリア」を演奏して小澤さんをしのび、曲が終わると黙とうをささげた。
楽団の追悼文は小澤さんの指揮下で世界的に展開する楽団に生まれ変わったと振り返った。小澤さんと親交があった世界的なチェロ奏者ヨーヨー・マさんは、楽団のサイトに投稿された動画で「(欧米で)先駆的な存在として、他のアジアの音楽家に活躍の道を開いた」とたたえた。
楽団で音楽監督を務めるアンドリス・ネルソンス氏は「若手音楽家として、小澤さんの活躍に、とてつもない刺激を受けた」と振り返った。