カナダ雇用統計、1月の雇用は3万7300人増 市場予想の2倍超に

[オタワ 9日 ロイター] - カナダ統計局が9日発表した1月の雇用統計で雇用者数が前月より3万7300人増え、増加幅はロイターがまとめた市場予想(1万5000人)の2倍を超えた。賃金上昇率はやや鈍化した。

利下げ開始を求めるプレッシャーを受けているカナダ銀行(BOC、中央銀行)は、雇用統計を踏まえると政策金利を今後も据え置く可能性が高い。

失業率は5.7%と、昨年12月の5.8%から低下した。改善したのは1年1カ月ぶり。市場予想は5.9%だった。

労働参加率は65.3%と、昨年12月の65.5%から低下。正規雇用者の平均時給の前年同月と比べた上昇率は今年1月に5.3%となり、昨年12月の5.7%から鈍化した。

スコシアバンクの資本市場経済担当バイスプレジデント、デレク・ホルト氏は「労働市場は引き続き強靱なようだ」とし、「先月は賃金の伸びが鈍化したが、全体的には比較的好調だ」と指摘した。

今年1月の雇用増加はパートタイム労働者の伸びがけん引し、サービス部門で拡大した。雇用が最も大きく増えたのは卸売・小売業で、僅差で金融関連が続いた。

財部門では建設業と製造業を中心に雇用が減った。

カナダ中銀は昨年7月以降、政策金利である翌日物金利の誘導目標を約22年ぶりの高水準の5.00%に設定し、インフレ率を2%に戻すことを目指している。昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月より3.4%上昇していた。

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