砺波、南砺、小矢部 警察官140人が3署兼務

砺波署

  ●県警、15日から 統合見据え対応力向上/事件発生時、垣根越え人員確保

 富山県警は将来の統合を予定している砺波、南砺、小矢部3署の警察官約140人を3署兼任に切り替える。統合前から3署一体の運用体制にすることで、事件や災害発生時に署の垣根を越えて即座に対応できるようになり、対応力向上や働き方改革の推進を図る。県警初の取り組みで、発令は15日付。今後、警察署を統合する全4エリアで順次適用していく。

 県警警務課によると、署員数は砺波、南砺署が各約60人、小矢部署が約40人。署長、副署長、次長を除く全ての警察官が3署兼任となる。所属、勤務場所は変わらない。

 従来、事件や事故が起きた場合は発生場所を管轄する署が担当していた。限られた人員で対応しきれない場合、勤務時間外の署員を呼び出すケースも多かった。新体制では管轄署からの要請に応じて他の2署が必要な人員を派遣する。管轄署の指揮下で捜査などに当たる。夜間や休日の当直体制の充実にもつながる。

 3署間の情報共有を円滑にするため、110番通報を受理した事案のうち、行方不明や殺人、強盗、窃盗などの発生については管轄署だけでなく、他の2署にも同時に伝達されるようになる。管轄署の要請を待たず準備できるため、迅速な対応が期待できる。

 警察署再編を巡り、県警は砺波(砺波、南砺、小矢部3署)、高岡(高岡、氷見2署)、新川西(滑川、上市2署)、新川東(入善、黒部、魚津3署)の4エリアで警察署を統合する方針。砺波エリアは砺波市苗加、高岡エリアは移転後の高岡西部中跡地に統合署の建設が決まっているが時期は未定。新川西と新川東の両エリアは建設場所を検討している。

 県警は砺波エリアの「3署兼任」を試行的な取り組みと位置付け、15日からの試験運用を経て、本運用に切り替える。試験運用期間は未定。兼任による業務改善の効果や課題を検証する。将来的には他の3エリアにも広げることを視野に入れている。

 県警警務課の担当者は「警察官の人手不足は喫緊の課題。新しい警察署の完成を待たずに業務改善に取り組んでいく必要がある」と話した。

南砺署
小矢部署

© 株式会社北國新聞社